どうして 王子様はシンデレラを好きになったのだろう?
美しかったから。でも美しい人は他にもいただろう。
なぜシンデレラ(正確にはエラという名前なのだけど)で
なければならなかったのか。
やはりタイムリミットがあったからではないかな?
だって「これから色々お話をしてお互いをよく知ろうという」
というドキドキタイムに「あっ大変 もう帰らないと!」
そう言って逃げるように彼女は帰ってしまった。
おそらくこんなことは王子様の人生初めてではないか?
価値とは何か それは手に入れたいという欲望と
手に入りにくいという障壁の差額から生み出されるものならば
王子様の中でシンデレラの価値はかなり高まったのではないか。
しかも探しても見つからないとなれば ますますだ。
これをプロデュースしたのは魔法使いのおばあさんだ。
(映画では若かったが私の絵本ではおばあさんだった)
「12時に魔法が解けるから それまでには帰るんだよ」
そう言った。
もちろんカボチャの馬車も美しいドレスもガラスの靴も
素晴らしい、けれど最大の魔法はこのタイムリミットの
設定にあると思っている。
そうしてこのような絵本を読みながら
少女は大人になっていく。