中小企業経営のための情報発信ブログ258:マイクロマネジャーの犯す過ちと対処法

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今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
マイクロマネジャーについては以前に書きました。マイクロマネジャーというのは、部下に対して細かく管理・干渉するマネジャーのことで、過剰管理・過干渉をやめられない人のことです。多くのマイクロマネジャーが自分がそうであるとは自覚していません。次のような兆候があれば、マイクロマネジャーの可能性が高いと言えます。
Ⅰ:部下の成果物に深く満足できたことがない
 Ⅱ:自分ならその仕事を違うやり方で進めるのに、というもどかしさを頻繁に覚える
 Ⅲ:細部にこだわり、修正を加えることに誇りを持っている
 Ⅳ:すべての部下に対して、どこにいるのか、何をしているかを常に把握していたい
 Ⅴ:頻繁に進捗報告を求める
 Ⅵ:メールのCCの自分が含まれていることを好む
1.マイクロマネジャーが犯す4つの過ち
 マイクロマネジャーはよかれと思ってマイクロマネジャー的な行動をとっていますが、従業員のモラルの低下、生産性の低下、離職率の高さは、すべてマイクロマネジャー的な行動に起因しています。更に悪いことに、マイクロマネジメントは心理的安定性を破壊し、部下が情報を隠す可能性が高くなり、小さな問題が一大事に発展してしまうことにもなるのです。
 マイクロマネジャーは、自分が少しでもコントロールを放棄すると物事がうまくいかなくなり、自分が非難され責任を負わされると思い込んでいます。しかし、それは間違いです。
Ⅰ:自主性を潰す・・・マイクロマネジメントはコントロールすることであり、マイクロマネジャーはあらゆる行動を指示したがるものです。しかし、リーダーはチームに明確な目標を与える必要がありますが、その目標を達成する方法についてはチームメンバーの考えを尊重すべきです。
Ⅱ:本当の意味での支援はしない・・・マイクロマネジャーは過剰管理・過干渉はしますが、メンバーが軌道修正するのを助けたり、発生した課題や問題を思慮深く分析することもしません。リーダーはチームと効率的に協働し解決に向けて部下の言葉に耳を傾けるべきですが、マイクロマネジャーは指示を与えるだけで支援はせず、自ら責任もとろうとしません。
Ⅲ:すぐに非難してしまう・・・マイクロマネジャーは、ミスや問題が発生すると、真っ先に相手を非難し、責任を転嫁しようとします。そうすると、メンバーは、見栄えを良くすることに集中し、何か問題が起こることを恐れてチャレンジせず、無難な方へと進んでいきます。
Ⅳ:情報をため込んでしまう・・・チーム内で一貫して情報を共有することで、自律性と適性という重要な心理的ニーズが生まれます。更に、エネルギー、学習、成長の強力な組み合わせである「活力」を築き、燃え尽き症候群になるのを防いでくれます。メンバーが自分に必要な十分な情報を持っていれば、適切な意思決定ができる可能性が高まります。更に、問題を迅速に発見し、行動を調整することもできます。しかし、マイクロマネジャー的なリーダーの下では、メンバーは非難や責任を負わされることをおそれ、情報をため込み、問題や課題やミスがあっても隠してしまいます。
2.マイクロマネジャーが犯す過ちの対処法
 マイクロマネジャーの多くは自分がマイクロマネジャーであると気づいていませんし、マイクロマネジャーであると認めることも嫌います。しかし、マイクロマネジャーであり続けると、メンバーのやる気を削ぎ燃え尽き症候群に陥らせることにもなりますし、組織やチームの生産性も低下させます。
 マイクロマネジメントは短期的には有効な場合もありますが、長い目で見れば、後で大きな代償を払うことになります。チームをコントロールするのではなく、サポートする方法を考えなければなりません。過剰管理や過干渉をやめて、サポートに徹することです。
Ⅰ:委任する・・・部下の育成は「認めて、任せて、褒める」ということは何度も書いています。「認めて、任せること」、つまり適切な権限委譲がマイクロマネジメント的行動を是正するカギになります。そうすることで、マネジャーも自分の時間を最大かつ最善に使えるようになるはずです。
Ⅱ:想定外を想定する・・・すべてのプロジェクトが順調に進むとは限りません。挫折を経験することもあります。挫折について、チーム内で率直に話し合う必要があります。正しい戦略を立て、適切なコンティンジェンシー・プラン(不測事象対応計画)やBCPを用意しておくことです。
Ⅲ:期待値を明らかにする・・・高い期待を持つことは悪いことではありませんが、その期待を前もって明確にした上で、最終的な結果を得るための具体的な方法をチーム全員で考えておく必要があります。
Ⅳ:リソースを活用する・・・成功とはどのようなものか、成功を実現するために適切なリソースとサポートが整っていることを確認しなければなりません。また、チームが成功を収めるために、必要な情報についても透明性を確保することが大切です。
Ⅴ:なぜそこまで関与するかを説明する・・・リーダーがメンバーに対して、管理・干渉をしなければならないケースも出てきます。そのときには、「なぜそこまで関与するのか」を丁寧に説明し、メンバーに理解させ納得させなければなりません。重要なのはよりよい人間関係、信頼関係です。
Ⅵ:自分自身の行動を振り返る・・・多くのマイクロマネジャーは「常に自分が主導権を握っていないと物事がうまくいかない」「すべて自分でやった方がうまくいく」と考えています。こうした考えを変えなければなりません。そのためには自分の行動を振り返り、マイクロマネジャー的行動でないかをチェックし変えていくことです。
以前にもマイクロマネジャーの過剰管理をやめる対処法を挙げています。参考にしてください。
Ⅰ:正当化をやめる・・・マイクロマネジャーは自分の行動を正当化しようとします。管理・干渉すべき理由ではなく、すべきでない理由を考えるべきです。
Ⅱ:仕事の優先順位を決める・・・過剰管理を招いているのは小さなことへのこだわりです。過剰管理から脱却するカギは小さな些末なことを手放すことです。優先順位をつけ、些事は任せてしまえばいいのです。
Ⅲ:「HOW」ではなく「WHAT」を示す・・・マネジャーの役割は割り当てる仕事のイメージを明確に伝えることです。成果物(WHAT)のイメージはしっかり伝える必要がありますが、それをどのような方法で行なうか(HOW)は詳細な指示を出す必要はなく、メンバーに任せればいいのです。
Ⅳ:成功を期待して少しばかりの失敗を許容する・・・マイクロマネジャーの根底にあるのは失敗への恐れです。成功へのイメージを明確に示し、必要なリソース、情報、サポートがあれば、仮に失敗しても長期的には良い業績に繋がるはずです。必要なのはメンバーを成功に向かって奮い立たせることです。
誰しも過剰管理・過干渉はされたくありません。また過剰管理して嫌われるマイクロマネジャーにもなりたくないはずです。マイクロマネジャーの徴候をつかみ、知らず知らずマイクロマネジャーになっていない化をチェックし、正しい方向に修正すべきです。
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