今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は、「売れないものは諦める」と題して書いていきます。
これは、ダイヤモンドに掲載された「『売れないものは諦める』で過去最高益、キングジム社長が語るコロナ禍の闘い方」という記事を基にしています。
先日、「選択と集中」が2022年のキーワードになるということを書きました。コロナ禍で今ある事業が行き詰まりを見せているということは多いですし、混迷するビジネス環境の中で、新たなことにチャレンジしなければ、生き残ることはできません。そのためには、自社の「強み」を見つけ、そこにフォーカスする「選択を集中」が必要不可欠なのです。
この記事に出てくるキングジムはオフィス文具を扱う会社で、どこのオフィスでも使われているブルーの開きと正方形のマークがついたファイル「キングファイル」が看板商品で、他にもラベルタイターの「テプラ」などを世に送り出しています。キングジムは、「皆が欲しがるものよりも、熱烈に欲しがる誰かがいる商品こそヒットに繋がる」との考えで、どちらかと言えばニッチな商品の開発を行ってきました。ところが、キングジムの看板商品である「キングファイル」はペーパーレス化の影響でここ20年売上が徐々に減少し、コロナ禍で更に加速しました。また、「テプラ」もコロナ禍で半導体不足の影響を受け東南アジアにある自社工場の生産が止まったりとコロナ禍のさまざまな影響を受けました。
ところが、このキングジムは、コロナ禍で過去最高益を記録しているのです。
1.鳴かず飛ばずの商品などがヒット
キングファイルやテプラなどに変わり、コロナ禍の経営を支えたものは、家具やキッチン家電、衛生用品でした。
キングジムの「強み」は、何屋さんか分からないほど幅広い商品展開にあります。巣ごもりで家の中を整理したくなった人が増えたのか収納用品、テレワークの増加によりデスク・チェア用品の売れ行きが好調、家で料理をする人が増えたのか低価格のトースターやコーヒーメーカー、ホットサンドメーカーなどのキッチン家電が売上を伸ばしました。キングジムは、コロナ前に、インフルエンザ予防の関連製品として、自動手指消毒器「テッテ」を販売していましたが、鳴かず飛ばずで生産を中止して撤退を考えていたところ、コロナ禍で怒濤の発注が舞い込み大躍進を遂げます。
陰る商品があれば光が当たる商品があるのは当然ですが、キングジムはキングファイルで使用していた素材を活用し、「クリアーパーテーション」「フェイスシールド」「マスクケース」など、感染症対策に活用できる新たな商品を立て続けに販売しました。こうして、ピンチをチャンスに変えたキングジムは過去最高益を記録したのです。
まさに「自社の強み」を活かし、「選択と集中」を行った結果です。
2.自社開発で重視する2つのこと
キングジムの宮本社長は「コロナ禍で『売れないものをどう売ろう』と考えず、売れるものを売った方がいい」「世の中が急変しているわけですから、売れないものに固執すると苦労するのは当たり前です。我々も主力商品だったキングファイルが以前のように売れるとは考えていません。ダメそうなら諦める、売れそうなら売ってみる。キングジムはそのハードルが非常に低いのです。思いついたらすぐに出すことが一番大事です。問題が生じたら改善すればいい。ダメなら何らかの反応が返ってくるわけですから」と言います。
キングジムには失敗を責めない企業文化が根付いており、「10個の新商品のうち1個でもヒットすればいい」という考え方です。失敗しても軌道修正し改善すればいいのです。必要なのは、思いついたらすぐに行動を起こすことなのです。
キングジムの宮本社長は「キングジムの商品は、ほとんどが枯れた技術の組み合わせです(笑)。でも、さまざまな商品が作れます。それがおもしろい。新しい技術に挑戦しようと思ったら、大型投資をしないといけないでしょ?設備やらなんやらお金が必要ですから、売れないと大変です。でも、既にある技術の組み合わせなら、ダメならやめればいい。失敗を恐れなくていいから簡単なんです」と言います。
先日「両利きの経営」で書きましたが。イノベーションというのは「既存の知」と「既存の知」の組み合わせで生まれます。これが「知の探索」ですが、これだけではビジネスにならず、何度も深掘りして磨き込み(軌道修正と改善)収益化を図る「知の深化」も必要なのです。キングジムは、この両方をうまく行っています。
3.急激な変化にたじろがない変わり身の早さが武器
宮本社長は「変化は今後も起こる。そのときにいかに素早く商品を出すか、それだけを考えています」「変化はチャンスだと思います。逆に言えば、変化がないと我々のような中小企業にチャンスは巡ってきません」と言います。
宮本社長が言うように、変化が激しい時代は、中小企業にとってはピンチではなくチャンスなのです。大企業は組織の大きさからすぐに変わることはできません。中小企業は変わり身の早さが取り柄です。世の中の変化にうまく対応することができれば、ピンチは必ずチャンスになります。この柔軟さがあれば、新たなアイデアも生まれます。自社の強みを活かし、「既存の知」と「既存の知」を組み合わせることでイノベーションを起こせるかも知れません。売れないものに固執せず、売れそうなら売ってみるのです。まずは行動あるのみです。