中小企業経営のための情報発信ブログ6:ジョブ型雇用への道

中小企業経営のための情報発信ブログ6:ジョブ型雇用への道

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昨日、45歳定年制について書いた際に、「メンバーシップ雇用」と「ジョブ型雇用」に触れました。そこで、今日は、日本の「メンバーシップ型雇用」と欧米の「ジョブ型雇用」について書いていきます。
コロナ禍で「日本型雇用」の見直しの機運が高まり、昨年夏に、日立製作所、富士通、KDDIといった企業が「ジョブ型雇用」の導入を表明しました。コロナ以前から働き方改革が叫ばれ、日本型雇用の見直しが課題となっていましたが、コロナ以前では遅々として進まず、コロナ禍での自粛要請からテレワークが導入され、「ジョブ型雇用」への動きが加速しています。
1.「メンバーシップ型雇用」と「ジョブ型雇用」の違い
 従前の「メンバーシップ型雇用」は、会社に雇用された従業員は、「君は営業、あなたは総務、君は開発」というように就職した後で配属が決まり、その後もキャリア形成の中で社内の別の部署に異動し、違う職種を経験しながらジェネラリストとして育成していくという仕組みです。「メンバーシップ型雇用」では、社員が転勤や配置転換によってさまざまなポストに就いて様々な経験をして自己を成長させていくことができます。一方で、職務内容があいまいで、成果を客観的に評価しにくいといった面も指摘されています。
 これに対して、「ジョブ型雇用」は、、最初から、営業、総務、開発、企画といった職種(ジョブ)ごとに雇用を行い、その職種のスペシャリストを育成するという仕組みです。
 「ジョブ型雇用」の特徴は、自分が何の専門家になるかは入社当初から明確なので、何を学んで磨いていけばいいかがはっきりしています。ジョブディスクリプション(職務記述書)という書類に基づいて雇用する形態なので、その書類を見れば、自分が行うべき仕事内容、目標、目的、責任、権限、スキル、経験が一目瞭然で、自分が何をなすべきか、自分で仕事に貢献できているかがわかります。また、ジョブディスクリプションに書かれていないことを頼まれれば断ることができます。しかし、「ジョブ型雇用」では職務内容が決まっているので、企業がその事業から撤退した時などその職種がなくなった時には雇用が維持されず、辞めなければなりません。また、個人としては、「ジョブ型雇用」でスキルを磨きながらスペシャリストとしてより給与が高くやりがいのある企業へと移動することもできます。「ジョブ型雇用」は、雇用は永遠ではなく辞めることが前提となっているのです。
2.日本における「ジョブ型雇用」への道
 日本で一般的な「メンバーシップ雇用」は、年功序列、終身雇用、新卒一括採用と密接に結びついています。先ほど書いたように「ジョブ型雇用」は、雇用は永遠ではなく辞めて他社へ移動することが当たり前という考えに基づいており、日本の風土になじまない面もあります。中途半端なジョブ型雇用への移行は、惨憺たる結果に終わりかねません。
 コロナ禍の働き方改革の一環として「ジョブ型雇用」の導入が言われていますが、テレワークや在宅勤務になると仕事をしない社員はますます仕事をさぼります。テレワークで仕事を逐一報告させてもそれをチェックするシステムが完備していません。「ジョブ型雇用」では、半期や四半期に一人ひとりの社員に求める成果を決め、その達成度を評価し来期の改善点をレビューしなければなりません。これが上司の役割であり、これに時間と労力をかけて、そのレビューを合意事項として書面化しなければならないのです。こういう仕組みがあってこそ「ジョブ型雇用」は機能するものです。かなりドライな成果主義によっています。家庭的雰囲気を重視する日本企業にはなじまないと思います。
成果に応じて評価されるという成果主義はいいようにも見えますが、全面的に礼讃してよいかかというと疑問です。成果主義にも多くの問題があります。特に「成果の評価」です。どのような基準で客観的に評価するのかが明確でなければ不公平や不満が出てきます。
 先ほど述べたように「ジョブ型雇用」は日本の風土にはなじみません。欧米型の「ジョブ型雇用」をそのまま日本に持ち込んでもひずみが生まれます。成果主義についても同じことが言えそうです。
 欧米型の「ジョブ型雇用」が絶対によいとは言えません。日本の「メンバーシップ型雇用」や年功序列、終身雇用にも多くの利点があります。
 日本に適した「ジョブ型雇用」とはどのようなものか、「メンバーシップ型雇用」をどのように残していくか、こうした問題を時間をかけて検討しながら、自社に合った雇用形態を採用すべきです。
コロナ禍の働き方改革とか「他社が採用したから自社も」と安易に飛びつくことなく、じっくりと時間をかけて検討し、取り組むべき課題です。
欧米型の「ジョブ型雇用」が適した企業もあれば、日本型の終身雇用、年功序列、「メンバーシップ型雇用」が適した企業もあります。それぞれの企業文化に合わせて選択すべきです。
確かに、リモートワーク、在宅勤務は、成果主義やジョブ型雇用と相性がいい面もあります。だからと言ってすべてを成果主義やジョブ型雇用に変える必要はありません。導入するとしても、それぞれのメリット・デメリットを考慮しながら、バランスを考えて導入することが重要だと思います。
日本では、完全にリモートワークになりジョブ型雇用になるということはなく、リモートワークとオフィスワークを併用したハイブリッド型、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の利点を合わせたハイブリッド型雇用が浸透していくように思います。
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