「ママ、これやって!」
「ママ、着替えさせて!」
「自分でできるでしょ?もう大きいんだから!」
子どもから何度も「ママやって!」と言われると、ついついそんな言葉が出てしまうことはありませんか?
忙しい朝や、夕食の準備をしているときなど、何でもママに頼られると、正直しんどくなることもありますよね。
もう自分でできる年齢なのに、どうして自分でやろうとしないんだろう。
このまま何でもやってあげていたら、自立できなくなるんじゃないかな。
そんな不安を感じるママもいると思います。
でも、少し考えてみてください。
子どもが「ママやって!」と言うとき、本当に求めているのは、目の前の作業を代わりにしてもらうことだけなのでしょうか?
実は、その言葉の裏には、子どもの心のサインが隠れていることがあります。
今回は、子どもの発達や心理の視点から、甘えとの付き合い方について考えてみたいと思います。
1.「ママやって!」は、甘えたい気持ちの表れかもしれない
子どもは成長するにつれて、少しずつ自分でできることが増えていきます。
着替えたり、靴を履いたり、ご飯を食べたり。
昨日までできなかったことが、ある日突然できるようになることもあります。
でも、できることが増えたからといって、いつも自分でやりたいとは限りません。
例えば、学校で一日頑張って帰ってきた子ども。
学校では先生の話を聞き、友達との関係を考え、たくさんのことに気を配っています。
家に帰ってきた途端に、
「ママ、靴下脱がせて」
「ママ、お茶入れて」
「ママ、これやって」
と甘えてくることがあります。
そんなとき、子どもは単に自分でやりたくないのではなく、安心できるママの前で少し力を抜きたいのかもしれません。
家庭は、子どもにとって安心して自分を出せる場所です。
外で頑張っているからこそ、家では甘えたい。
そんな気持ちも大切にしてあげたいですね。
2.甘えさせることと、甘やかすことは違う
ここは、ぜひ知っておいてほしいポイントです。
「甘えさせると自立できなくなるのでは?」
そう心配するママもいるかもしれません。
でも、甘えさせることと甘やかすことは、少し意味が違います。
例えば、子どもが「ママ、靴を履かせて」と言ってきたとします。
【甘えを受け止める関わり】
「今日はママにやってほしいんだね。じゃあ、最初はママが手伝うね。最後は自分で履いてみようか」
子どもの気持ちを受け止めながら、自分でできる部分も残しています。
【何でも代わりにやってしまう関わり】
子どもができることも、毎回すべて親がやってしまう。
この二つは似ているようで違います。
大切なのは、子どもの気持ちを受け止めることと、自分でできる経験を奪わないことのバランスです。
甘えを受け止めることは、自立を妨げることではありません。
安心できる人との関係を土台にして、少しずつ自分で挑戦できるようになることを目指したいですね。
3.子どもの「ママやって!」に隠れている3つの心理
子どもが甘えてくる理由は、一つではありません。
そのときの状況によって、背景にある気持ちも違います。
① 安心したい、ママにくっついていたい
例えば、帰宅後に何でもママにやってほしがる子ども。
「自分でできるでしょ」と突き放す前に、少しだけ一緒に過ごす時間を作ってみましょう。
「今日も学校頑張ったね。ちょっと一緒に座ろうか」
そんな何気ない時間が、子どもの安心につながることがあります。
② 失敗することが怖い
子どもによっては、自分でやって失敗することを不安に感じる場合があります。
例えば、洋服のボタンがうまく留められないとき。
「もう自分でできるでしょ!」と言われると、ますます挑戦することが嫌になってしまうかもしれません。
そんなときは、
「最初の一つだけ一緒にやってみようか」
「ゆっくりでいいよ。失敗しても大丈夫」
と声をかけてみましょう。
できた経験を積み重ねることが、自信につながっていきます。
③ 疲れていて、自分でやる余裕がない
大人でも、仕事で疲れた日は何もしたくなくなることがありますよね。
子どもも同じです。
学校、習い事、友達との関わりなど、子どもなりに毎日頑張っています。
いつもならできることでも、疲れている日は誰かに頼りたくなることがあります。
そんなときは、少し手伝ってあげてもいいと思います。
子どもの様子を見ながら、今は頑張らせるときなのか、休ませてあげるときなのかを考えてみましょう。
4.今日からできる!自立につながる5つの声かけ
では、実際にどのように関わればいいのでしょうか。
家庭で取り入れやすい具体例を紹介します。
① 最初から全部をやってあげない
例えば、子どもが「ママ、着替えさせて」と言ってきたとき。
「自分でやりなさい!」と突き放すのではなく、
「じゃあ、ズボンはママが手伝うね。シャツは自分で着てみようか」
と、一部だけ手伝ってみます。
全部を一人でできなくても大丈夫。
できる部分を少しずつ増やしていきましょう。
② 「どこまで自分でできそう?」と聞いてみる
何でも親が決めるのではなく、子ども自身に考えてもらいます。
例えば、
「宿題の準備、どこまで自分でできそう?」
「ママに手伝ってほしいところはどこ?」
と聞いてみる。
自分で考えて決める経験は、自主性を育てることにもつながります。
③ できたことを具体的に褒める
「えらいね!」だけではなく、
「今日は自分で靴下を履けたね」
「昨日はママと一緒だったけど、今日は一人でできたね」
と、具体的に伝えてみましょう。
子ども自身が、自分の成長に気づけるようになります。
④ 甘えてきたときは、まず気持ちを受け止める
「ママやって!」と言われたとき、
「また?」と思ってしまうこともあると思います。
でも、まずは、
「ママにやってほしいんだね」
と気持ちを言葉にしてみましょう。
そのうえで、
「今はご飯を作っているから、終わったら一緒にしようね」
と伝えても大丈夫です。
甘えを受け止めることと、何でもすぐに要求に応えることは違います。
ママにも都合や気持ちがあります。
⑤ 子どもが自分でできる時間を作る
朝の忙しい時間に、子どもがゆっくり着替えるのを待つのは大変ですよね。
だからこそ、時間に余裕がある休日などに、自分で挑戦する機会を作ってみましょう。
例えば、
・自分で洋服を選ぶ。
・自分で靴を履く。
・食べた食器を運ぶ。
・翌日の学校の準備をする。
最初は一緒にやって、少しずつ親の手を離していく。
こうした日常の小さな経験が、自立の土台になっていきます。
5.子どもが甘えてきたときこそ、親子の信頼関係を育てるチャンス
子どもが自分でできるようになることは、もちろん大切です。
でも、自立とは何でも一人でできるようになることだけではありません。
困ったときに誰かに助けを求められること、自分の気持ちを伝えられることも、大切な力です。
心理学では、子どもが安心できる養育者との関係を築くことを「愛着」といいます。
安心できる人がいるからこそ、子どもは少しずつ外の世界に挑戦していくことができます。
だから、子どもが「ママやって!」と言ってきたとき、毎回自分でやらせなければいけないと考えなくてもいいのです。
ときには手伝い、ときには見守り、ときには「今日は自分でやってみようか」と背中を押す。
その繰り返しが大切なのだと思います。
最後に。甘えられる場所があるから、自分で頑張れる
子どもには、子どものペースがあります。
早く自立してほしいと思う日もあれば、いつまでも甘えてくれる姿がかわいく感じる日もある。
子育てって、そんな気持ちの繰り返しですよね。
でも、今しか見られない甘え方もあります。
いつか「ママ、もう自分でできるよ」と言う日がやってきます。
その日まで、甘えてくれる時間も大切にしたい。
何でもやってあげる必要はないけれど、甘えたい気持ちを否定しなくてもいい。
子どもが安心して甘えられる場所を作りながら、自分でできる喜びも一緒に育てていきたいですね。
そして、ママも頑張りすぎなくて大丈夫。
子どもの自立を育てるために、ママが完璧である必要はありません。
甘えられる安心感と、自分でできたという自信。その両方を大切にしていきましょう。
ママの心にも、少しの余白を。
ママの心の休憩室 🍀