「辞めます」の一言が言えず、3週間経った。同僚が退職交渉を台本と仕組みで乗り切った話

「辞めます」の一言が言えず、3週間経った。同僚が退職交渉を台本と仕組みで乗り切った話

記事
ビジネス・マーケティング
結論から言います。

内定をもらった後の方が、選考中より苦しいことがある。それを教えてくれたのは、店舗時代に一緒に働いていた元同僚です。

先日同僚と話す機会があり、「転職先が決まってからが本当の地獄だった」という話を聞きました。これから同じ場面を迎えるかもしれない読者の方のために、その話を整理しておきます。

「言い出す側」になって初めてわかること
その元同僚は、店舗で副店長を務めていた人です。何人もの部下の退職を受け止めてきた側の人間でした。ところが、自分が転職先から内定をもらい、いざ辞めると言い出す番になったとき、3週間も切り出せなかったそうです。

「頭の中で何度もシミュレーションするんですよ。引き止められたらどうしよう、後任がいないと言われたらどうしよう、これまで世話になった恩を裏切るようで申し訳ない。そうやって、言い出すタイミングを何度も逃しました」

部下の退職を受け止めるのと、自分が辞めると言い出すのは、まったく別の恐怖だったと本人は言っていました。管理職として何人も見送ってきたはずなのに、自分が当事者になった瞬間、それまで培ってきた「感情でなく仕組みで動く」という考え方をすっかり忘れていたそうです。

感情で挑むと、必ず脱線する
最初の面談は、失敗したそうです。「実は話がありまして」と切り出したところまでは良かったものの、そこから感情が先走り、これまでの感謝や愚痴が混ざり合って、結局「で、結論は?」と上司に聞き返される始末。何も決まらないまま面談は終わりました。

これでは駄目だと、2回目の面談の前に台本を作ったと話してくれました。

3行で完結する退職宣言の台本

彼が作ったのは、シンプルなものでした。

1行目(結論) 「大変申し訳ございませんが、◯月末で退職させていただきたく、本日はそのご相談に参りました」

2行目(理由・簡潔に) 「新しい環境で、これまでの経験を活かした挑戦をしたいと考え、決断いたしました」

3行目(意思の固さ) 「すでに決めたことですので、引き継ぎには全力で協力させていただきます」

これだけだそうです。理由を詳しく語らない、感謝を先に言わない、結論を最初に置く。この順番を守るだけで、話が脱線しなくなったと言っていました。

面談の場で相手が何を言ってきても、動揺したらこの3行に戻る。それだけをルールにしたそうです。

引き止められたときの想定問答も、事前に作っていた
台本を作った後、もう一つ準備したのが「引き止められたときの返し方」だったそうです。

「後任が決まるまではいてほしい」と言われたら 「引き継ぎ資料は◯月◯日までに用意します。私が抜けた後も回る状態にしてから退職します」

「給与を上げるから」と言われたら 「お気持ちはありがたいのですが、今回は条件ではなく、挑戦したい環境そのものが理由ですので」

「もう少し考え直せないか」と言われたら 「すでに何ヶ月も考えた上での結論ですので、覆すことはありません」

これも、感情で答えようとすると必ず揺れる。だから事前に文字にしておいた、と話していました。

台本があっても、怖さは消えなかったらしい
正直な感想として彼が言っていたのは、「台本を用意していても、面談の直前は手が震えた」ということです。台本は怖さを消すものではなく、怖さの中でも言うべきことを言い切るための「支え」でしかなかった、と。

それでも、何も準備せずに感情だけで挑んでいたら、もっと長く迷走していただろう、とも言っていました。

まだこれから経験するであろう自分にできること
この話を聞いていなければ、私も同じように何週間も言い出せずにいたと思います。

備えておくことは、今からでもできます。台本は、実際にその場面が来る前に作っておくものなのかもしれません。

もし今、あなたが「退職を切り出せない」「面談のたびに話が脱線する」という状況にいるなら、一人で台本を作るより、外から見てもらった方が早いこともあります。書類選考の結果を待つ不安も、退職を切り出す前の不安も、根っこは同じ「言葉にできていない」というところにあると思っています。

▼ 色々と心労が続いていると思います。不躾ながら、私が書類選考落ちる    
 50代の不安に伴走しますので、ぜひ一緒に乗り切りましょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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そして、「自分も退職を切り出すのに苦労した」「こんな台本で乗り切った」「案外簡単だった」という経験があれば、遠慮なくコメント欄で教えてください。ここは「持たざる50代の作戦会議室」です。あなたの生々しい現場のデータが、他の同志を奮い立たせる最大の武器となるでしょう。

それでは、次回の作戦会議で。
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