「私ばかり仕事が増えるんです」
こういう相談を受けることがあります。
そのとき、私がまずお伝えするのは、「仕事が集まることには、ちゃんと理由がある」ということです。
もちろん、負担が偏るのは良いことではありません。
でも、ただ「運が悪い」「損な役回りだから」と片づけられる話でもないんです。
仕事が一部の人に集中する職場には、ある共通点があります。
なぜ仕事は一部の人に偏るのか
上司が仕事をお願いするとき、多くの場合は「安心して任せられる人」を選びます。
仕事が早い人。
品質が安定している人。
細かく説明しなくても意図をくみ取って動いてくれる人。
「この人なら大丈夫」という安心感があります。
一方で、時間がかかったり、お願いするたびに負担そうな反応が返ってきたりすると、どうしても別の人に頼もうと考えてしまいます。
つまり、仕事が集まるのは、その人が信頼されている証でもあるんです。
ただ、その信頼に応え続けることが、いつも本人にとって良い結果になるとは限りません。
管理職は意外と仕事量を把握できていない
ここは少し誤解されやすいところです。
「こんなに忙しいんだから、上司も気づいているはず」
そう思っている人は少なくありません。
でも実際には、管理職は部署全体を見ているようで、一人ひとりの細かな業務量までは把握できていないことが多いんです。
「あの人ならやってくれる」
その積み重ねで、気づけば一人に仕事が集中している。
悪意があるというより、単純に見えていないケースがほとんどです。
だからこそ、自分の状況を伝えることには大きな意味があります。
我慢し続けると何が起きるのか
真面目な人ほど、「期待されているなら応えなければ」と思ってしまいます。
でも、その状態が続くと、忙しさで疲れがたまり、気持ちに余裕がなくなる。
ミスが増えたり、体調を崩したりすることもあります。
そして最後には、「もう続けられない」と職場を離れてしまう人もいます。
本来なら長く活躍してほしい人ほど、負担が集中して辞めてしまう。
これは本人にとっても、職場にとっても大きな損失です。
だからこそ、調整することも仕事
「断ること」よりも「調整すること」が大切だと思っています。
たとえば、
・今の業務が終われば対応できます。
・どちらを優先すればよいでしょうか。
・今は〇の仕事を急ぎで行っているので、○日以降であれば着手できます。
こうした伝え方は、仕事を拒否しているわけではありません。
今の状況を正しく伝えて、優先順位を確認しているだけです。
上司から見ても、こういう報告をしてくれる人はとても助かります。
状況が分かるので、仕事の調整もしやすくなるからです。
「はい」とすぐ答えなくてもいい
真面目な人ほど、頼まれた瞬間に「はい」と答えてしまいがちです。
でも、一度だけ立ち止まって考えてみてほしいんです。
今、自分はどれくらい仕事を抱えているのか。
本当に今すぐ引き受けられる状況なのか。
難しいのであれば、今の自分の状況を詳しく伝える。
それだけでも、仕事の進め方は大きく変わります。
最後に
仕事が集まるのは、信頼されているから。
私は、その面は確かにあると思います。
だからといって、一人で抱え込み続ける必要はありません。
上司は、一人ひとりの仕事量を完璧に把握できているわけではないからです。
自分の状況を伝え、優先順位や期限を相談しすり合わせをして仕事を進めることは、大切な仕事の一つです。
何でも引き受ける人よりもそういう人のほうが、信頼され長く活躍できると思っています。