心理カウンセラーの「うさぴょん」です。
これまで、多くのHSP(繊細さん)の方々、特に女性の皆さんから、日々の生きづらさや誰にも言えない不倫の悩みなど、胸の奥にある大切な想いをたくさん聴かせていただいてきました。
今回は、繊細な気質を持つ私たちが、日常の中でふと感じてしまう「あの感覚」について、ゆっくりとお話しさせてください。
「あ、誰か怒ってる……?」
廊下の向こうから聞こえてくる、いつもより少しだけ強く、地面を叩きつけるような足音。
階段を一段ずつ、苛立ちをぶつけるように下りてくるリズム。
そんな「不機嫌な足音」を耳にした瞬間、心臓がキュッとして、その場から一刻も早く逃げ出したくなってしまう……。
あなたは、そんな自分を「気にしすぎだよ」「考えすぎだよ」なんて、責めてしまってはいませんか?
でもね、大丈夫ですよ。それはあなたが臆病だからではなく、あなたの「心のアンテナ」が、人一倍優しく、そして高性能である証拠なんです。
HSPという気質を持つ私たちは、周囲の「空気感」や「非言語的なサイン」をキャッチする能力が、驚くほど発達しています。
言葉では「怒ってないよ」と言っていても、その人の歩き方、ドアを閉める強さ、ペンを置く音の余韻……。
そういった微細な情報の断片から、相手の感情の揺れを敏感に感じ取ってしまうんですよね。
特に不機嫌な足音というのは、その人の「内側の嵐」が外に漏れ出しているサインです。
それをキャッチした瞬間に、脳の警戒アラームが鳴り響いて、「危ない、ここから離れて!」とあなたに教えてくれているんです。
これは、自分を守るための、とても大切な本能的な反応。決して、あなたが弱いわけではありません。
むしろ、それだけ周囲の人の感情に共鳴し、場の空気を瞬時に読み取れるという、素晴らしい才能の裏返しでもあるんです。
ただ、その才能が鋭すぎるがゆえに、自分自身が疲れ果ててしまうのが、私たち繊細さんの切ないところですよね。
不機嫌な足音を聞いたとき、私たちは無意識のうちに「私が何か悪いことしたかな?」「あの人を怒らせるようなこと、言っちゃったかな?」と、自分を原因に結びつけてしまいがちです。
でも、どうか覚えておいてください。
その足音の主が不機嫌なのは、その人の「課題」であって、あなたのせいではありません。
寝不足かもしれない、仕事で嫌なことがあったのかもしれない、あるいはただ単に、せっかちな性格なだけかもしれない。
たとえ本当にその人が怒っていたとしても、その感情をどう処理するかは、その人自身の責任なんです。
あなたは、他人の不機嫌という重い荷物を、一緒に背負う必要はないんですよ。
もし、不機嫌な足音が近づいてきたら。
まずは、心の中で自分にこう声をかけてあげてください。
「あ、今、足音が怖いって感じてるね。大丈夫だよ。私は安全だよ」
そして、可能であれば、物理的にその場をそっと離れてみましょう。
「逃げる」のではなく、「自分を穏やかな場所へ避難させてあげる」と考えてみてください。
トイレに行く、少し離れた席に移動する、あるいはイヤホンをして大好きな音楽に浸る。
そうやって、あなたの素敵なアンテナに、少しだけ「お休み」の時間をプレゼントしてあげてほしいんです。
私たちは、世界の美しさを深く味わえる一方で、世界の痛みも敏感に感じてしまいます。
だからこそ、誰よりも自分に優しく、自分を甘やかしてあげていいんです。
あなたが今、抱えているその「逃げ出したくなる気持ち」は、とても純粋で、大切な感情です。
それを否定せずに、「そうだよね、怖いよね」と、まるごと抱きしめてあげましょう。
僕も、同じHSPとして、あなたのその繊細な感性を心から尊重しています。
あなたの毎日が、少しでも静かで、優しい音に包まれることを、心から願っています。
一人で抱えきれないときは、いつでもここでお話を聴かせてくださいね。