新しい人生の幕開け…28

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ドタバタだった引っ越しも終わり、前の不動産屋とも前のように揉めることもなく終わった。

子供たちは新しい家の近くに早々に友達を見つけたらしい。

その間、息子の検診があった。
確か5歳児検診だったと思う。

子供たちには日頃から「本の読み聞かせ」はしていた。
娘は黙って聞きながら眠りにつくが、息子は、例えば昔話のお決まりの「昔、昔あるところに…」と始まりますよね。
そうすると「昔っていつも昔??!あるところってどこ??」など質問攻めに合うこと多々ありました(笑)
けれどそれは、「興味」の一つだと思っていたからそんなに深く考えたことはなかった。

検診の時、保健婦さんと息子と私とで話や色々なことをしていると、保健婦さんが「息子君、この色な~に?」と問いかけた。
そうすると息子は「あお!」…明らかに「赤」だった。
そして次の質問「この色は?」「きいろ!」…「青」だった。
テーマは変わって男の子なら興味があるであろう「車」のことについて聞き始めた「これは?」と指を指す保健婦…「パトカー!」…救急車だ…。

あれ?こんなに私教えてこなかったっけ…。
と疑問を抱いた。

子供むけの本も毎月買っていた。
そこには救急車やパトカーなど散々書いていたし見せていたけど…
確かに興味がなかったかもしれない…。

保健婦さんは…少し考えた様子で
「お母さん…息子さん…もしかしたら『発達障害』かもしれません…。専門医に一度診察してもらったほうがいいかもしれません」
と言われた。

初めて聞く言葉だった。

「私は、そうですか…、どこにいけばいいですか?」
と聞いた。
「秋田市にいかないといけませんが、予約がないと受診できないのでコチラで予約とっても大丈夫ですか」と言ってくださったので
「よろしくお願いします」といい、その場を後にした。

発達障害…。

私は家に帰る前に「本屋」に立ち寄った。

「発達障害」というのはどんなものなのか…。
保健婦さんなどは普段、そんなにお母さんに不安をあおるようなことはいわないハズだ。だから私は「これはもしかして…」と思い、本を見てみることにしたのだ。

ざっと探してもなかったので店員さんに聞くと案内をしてくれた。

「AHHD/ASD/LD発達障害のこと」
と書かれた本があった。

私は迷わず購入した。

帰ると息子は家にも入らず、遊びに行ってしまった。
いつものことだから気にも留めなかったが…。

今は全部「おかしい」と思えてしまう…。

本を読み進めていくと、イラスト付きでとても分かりやすかった。

けれどそれと同時に
「あ、息子だ」と思い当たることもたくさん…というかほぼ息子のことを書いているかのような本だった。

私はなんだか「腑に落ちた」気持ちになっていた。
けれどなぜかとても「清々しく」も思えた。

それからは、手探りとその本を見本にしながら息子に接するようにした。

保育園生活ももう少し。
私は一般学校に入学させるのはやめよう、と思っていた。

その事を旦那に話した。

ところが…
「男の子なんだから、やんちゃくらいがちょうどいい!」などと言われた。
まさにテンプレートみたいな答えだった。

なので買ってきた「本」を差し出したが
「おれ、本嫌いなんだ」
と突き放された。

好き嫌いで、息子の人生を左右されるのは本当に腹が立った。

分かってもらえないのは本に書いてあったから頭では理解しているつもりだが、「わかろうともしない」ことに腹が立った。

それからの息子の行動や仕草、言葉などに気に留めるようになった。

うん…
言葉の発達が遅いかもしれない
集中できない
ゲームの意味がわかっていない
折り紙が折れない

と段々わかってきたこともあった。

そのことを保育園の先生にもわかってもらわなければ…
と思い、先生に時間をもらって相談にいくことにした。

けれどその結果は、「気を付けてみてみるね」でも「そういう障害があるの?」でもなく…
「息子君は絶対にありえない!大丈夫だよ!お母さん!心配しすぎ!」
と言われてしまった。

私もそう思いたい。
けれど感じていた「違和感」にピッタリ当てはまるのだ。
ここから目を逸らしてはいけない。
そうも思った。

私が両親からしてもらえなかったことを…
今私が自分の子供にしてあげる番だ。

疑うのではなく、否定するのでもなく
「受け入れて認める、そしていいところを褒めてあげる」
私はそれをしてほしかったのだ。

叱り方もタダ「ダメ!」ではなく
「○○で○○でケガをするかもしれないからダメだよ」
と具体的に教えるようにもした。

それは息子だけではなく、上の娘にも同じことをした。
障害がまだ決まったわけではないが、これは誰にでも通じることなんだ、と思った。

それから数日後、診察の日時が決まったと保健所から電話がきた。
そこは、地元から1時間かかる秋田市内にある大きい「療育センター」というところだった。
とても混んでいるらしく、時間がかかったとのこと。
お礼をいい、電話を切った。

診断がつくのか…。


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