ENOMARUAL 第13回:なぜ浮気相手は自分より魅力的なのか?〜ギネケオンと合理的無知の応用〜前編

ENOMARUAL 第13回:なぜ浮気相手は自分より魅力的なのか?〜ギネケオンと合理的無知の応用〜前編

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学び
現代は、ネットやAIの普及によってあらゆるモノや情報があふれ、選択肢は無限に広がっています。

やりたいことを選び、自分の意思で自由に生きているはずなのに、なぜか日常の軸足が「たった一人のパートナーの挙動」に完全に縛り付けられ、スマホの通知一つで心がざわつく。

選べる自由がいくらでもあるはずの現代において、私たちは自分で自分の視野を狭め、見えない密室に閉じこもるような息苦しさを抱えています。

1. 黄金期アテネ市民の優雅な日常と「光の側面」
まずは、この構造の原点である古代アテネに目を向けてみましょう。
一般的に、アテネの黄金期といえば「知性と自由の都」という優雅なイメージがあります。

当時の市民たちの日常は、一見すると非常に贅沢なものでした。

奴隷制という基盤があったおかげで、市民たちは生活のための過酷な労働から解放されていました。

午前中で日常の用事や買い出し、最低限のノルマを半日でサクッと終わらせ、午後からはアゴラ(広場)に集まって政治や哲学の議論を闘わせたり、大衆浴場や運動場で体を鍛えたり、劇場で劇を鑑賞したりする。

知的で洗練された時間を心ゆくまで楽しみ、誰もが「自分たちは自由でハッピーだ」と謳歌しているように見えました。

2. 「本当に幸せだったのか?」――優雅な都の知られざる負の側面
しかし、そのきらびやかな優雅さの裏側には、徹底的に隠蔽された過酷な「負の側面」が広がっていました。

市民の優雅な暮らしを支えていたのは、数多の「奴隷たち」の過酷な労働でした。さらに、市民層の人生そのものも、決して甘いものではありませんでした。

男女ともに7歳という早い段階から厳格な教育や訓練が始まり、男性は過酷な兵役や市民としての政治的責任に追われました。

男性が一人前の市民として社会で基盤を築けるのはようやく30歳頃という、非常に長い時間がかかるシビアな世界でした。
そのうえ男性の平均寿命はなんと45歳。
にもかからず、結婚年齢は30歳。現代と大して変わりませんよね。
現代が90歳までと考えても換算でおよそ45歳くらいでの結婚となります・・。男性陣はまだチャンスがありますね。

そして女性に至っては、わずか15歳という若さで結婚を強いられ、若年での相次ぐ出産という命がけの環境に晒された結果、女性の平均寿命はわずか30歳前後という過酷さでした。
男性の結婚適齢期に対し、女性が15歳で囲い込まれるという圧倒的な非対称性。当時の医療水準では、若年での相次ぐ出産は命がけだったため、本来戦争で命を落とす可能性が高い男性より圧倒的に女性の平均寿命が低かったわけです。

さらに衝撃的事実の極めつけが、女性たちが押し込められた私室「ギネケオン」でした。外の風に触れることも許されず、ただ家の中だけに縛り付けられる。当時のアテネでは女性は余計なことを知らないほうがいいとされており、社会の仕組みを知ることも許されず文字通り箱入りとされていたわけです。監禁というわけではなく、奴隷へ指図したり、織物をしたり家事や育児をするという日常です。

これが、古代アテネのリアルな現実だったのです。
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