ワイ「今日は昨日の続きです。」
助手「いや、タイトル手抜き?」
ワイ「手は抜いてません。逆転の発想ってやつです。」
助手「言葉逆転させただけでしょ。」
ワイ「それはさておき、昨日の続きをお話ししましょう。」
助手「確か給湯器を買い替えた時の話だったよね?」
ワイ「はい。ネットで検索すればトップに表示されるような業者でしたが、顧客対応はグダグダだったと記憶しています。」
助手「どんなことがあったのよ?」
ワイ「給湯器が壊れたので買い替えしたんですが、時期的にエコポイントが貰えるタイミングだったんですよ。」
助手「対象製品だったらポイントもらえるってやつね。」
ワイ「良さそうなアイテムがあったのでポイントゲットだぜ!」
助手「サトシ?」
ワイ「しかし申し込んだものと違う商品を設置されたことが分かりました。」
助手「マジ?」
ワイ「エコポイントの申請をしようと、その業者に納品書の提供を要請したときに発覚。」
助手「その時までわからなかったんだ。」
ワイ「給湯器の見た目なんて同じようなものばかりですからね。流石に素人では気づけない。」
助手「で、どうしたの?」
ワイ「もちろん即コールセンターに電話しましたよ。」
助手「適切に対応してもらえたのかしら?」
ワイ「電話口で調べれば分かるレベルのことを確認確認で待たされましたね。」
助手「それはイラつく。」
ワイ「対応が全体的にあまりにも杜撰でした。約束した日時に連絡もない。」
助手「ヤバいね。」
ワイ「杓子定規な対応だったので最悪のパターンを想定。エコポイントの申請期限も間近に迫ってきているスリリングな展開!」
助手「たかだか給湯器だけどね。」
ワイ「そこで今回のゴールを定めました。
①速やかな交換設置
②万一エコポイント申請が間に合わなかった場合の求償
以上の2点です。」
助手「明快だわ。ってかそもそもアナタの注文ミスってことはなかったの?」
ワイ「幸い注文時に相手からの見積もり&注文はショートメッセージでやり取りしてたので記録が残っていましたから。」
助手「それはラッキーだね。」
ワイ「業者との交渉ではゴールに沿って粛々と進めました。まずはメッセージの画面キャプチャーを送信して相手の不備であることを共有。」
助手「まずはそこが必要だもんね。」
ワイ「次に商品在庫の確認、そして交換時期について提示を求めました。」
助手「着々と進めてるね。」
ワイ「その際は記録に残るようメッセージでも送信するよう依頼。同時にポイント申請が間に合わないことを踏まえての求償交渉に突入。」
助手「抜け目ないわね。」
ワイ「一般スタッフでは対応できない領域に突入ため、この段階で交渉できる相手にチェンジ。」
助手「なるほど。」
ワイ「しかしこの担当者も連絡が約束通り来ない。」
助手「また?」
ワイ「ここで私は巧みなテクニックを繰り出します。」
助手「自分で巧みとか言い出すのはたいてい大したことない。」
ワイ「チェンジした相手を味方につける方針にしました。」
助手「どゆこと?」
ワイ「相手を自分側に引き込む策に出たのです。」
助手「どうやって?」
ワイ「まず連絡が遅くなる理由を知りたかったので、詳しくヒアリング。」
助手「教えてくれないでしょ?」
ワイ「どうも前任が急に休職して多忙を極めている様子と分かりました。」
助手「よく教えてくれたね。」
ワイ「ここで私の寄り添い力が発揮されたのです。」
助手「あぁ、カタチだけ寄り添ってるお得意のアレね。」
ワイ「その理由を聞いても怒るわけでもなく、大変さに共感を示しました。」
助手「えっと、確か苦情の話題だったよね?お悩み相談室?」
ワイ「寄り添うことで相手の心を解きほぐし、仲間意識を作ることを狙ったのです。」
助手「相変わらずアナタはやり方が怖いわ。」
ワイ「お金の絡む話は担当者も会社に稟議しづらいでしょうから、そのための方法も一緒に考えてあげました。」
助手「どこまで寄り添うの?」
ワイ「私の目的はエコポイントの求償と、それに伴い相手側に不備があることを書面に残しておきたいことです。」
助手「補填してもらえるなら文書は要らないでしょ?」
ワイ「エコポイントを申請しても却下されるリスクもあります。そうすると期間が空いてしまいますから、後になって言った言わないの問題を生じさせないための布石です。」
助手「抜け目なしね。」
ワイ「この積み重ねの結果、求償問題もクリアになり、それを明確に記した文書もゲットだぜ。」
助手「再びサトシ。」
ワイ「このように、苦情を申し立てる側もアタマを使って進めないと、思った結果に繋げることはできませんよ。」
助手「確かに対応がザルな相手だと必要だね。」
ワイ「えぇ。結局はエコポイントも無事ゲットできたので、求償は発生しなくて済んだんですがね。」
助手「無駄な努力だったね。」
ワイ「そんなことないですよ。常に最悪のパターンを想定して準備しておけば、後になって焦ることもないですから対応は万全だったと自負しています。」
助手「だけど担当者を味方に付ける発想はなかったわ。」
ワイ「これぞまさに逆転の発想。」