「何を聞くか」だけではなく、「どこで入るか」を見る
先日、少し特殊なインタビュー案件に外部インタビュアーとして参加しました。
テーマは、
**「AIと人間のコミュニケーションに関する個人的な探索研究」**
。
人との関係性によって、会話の進み方や聞き方・話し方がどう変わるのかを見ていく、個人的な探索的取り組みです。
私は外部インタビュアーとして、参加者の手配から日程調整、オンラインでの対話、録音、音声データの納品まで担当しました。
今回は、関係性の異なる2名との会話を行いました。
※依頼者の許可を得て、参加者が特定されない形で紹介しています。
インタビューというと、「質問」が中心だと思っていた
もちろん、何を聞くかは大切です。
でも実際にやってみると、それだけではありませんでした。
会話の途中には、
・少し考える時間
・言い直し
・言葉の選び直し
・話題の移り変わり
・相手からの問い返し
・こちらの反応を見て変わる話し方
などがあります。
そこで必要になるのは、「次の質問は何だろう?」だけではなく、
**「今、ここで入った方がいいのか?」**
という判断でした。
「聞く」より、「どこに入るか」を見ていた
今回、自分が思っていた以上に細かく判断していたことがあります。
聞き返す。
確認する。
頷いて待つ。
少し黙る。
深掘りする。
あえて聞かない。
相手が自分から話し始めた方向についていく。
どれも小さなことですが、会話の流れは少しずつ変わります。
特に印象に残ったのは、
**「聞けるけれど、今は聞かない」**
という判断でした。
インタビューだからといって、すべてを聞けばいいわけではありません。
相手との関係性や、そのときの会話の状態によって、
「ここまでなら自然」
「ここから先は少し急ぎすぎる」
という感覚が変わるからです。
関係性によって、会話の入り方も変わる
今回の案件では、関係性の異なる参加者と話しました。
そこで改めて感じたのが、
**「親密度」はインタビューにかなり影響する**
ということ。
同じような問いを投げても、
すでに関係のある相手と、
ほとんど初対面の相手とでは、
自分が入るタイミングも、反応の仕方も変わります。
だから私は、質問を一定の順番で進めるよりも、
**「この人との今の距離感では、どう聞くのが自然か」**
を見ることを大切にしています。
無理に深掘りしない
インタビューでは、「もっと詳しく聞いた方がいいのでは」と思う瞬間があります。
でも、そこで必ず質問するわけではありません。
話したくなさそうだからやめる、というだけでもなく、
その人が今、自分から話している方向を尊重する。
少し待つ。
話が自然に戻ってきたら、そこから聞く。
そんなふうに、会話の流れを壊さないことを意識しています。
今回、もう一つ分かったこと
インタビューそのものとは別に、
「自分がその場で何を判断していたのか」まで振り返ってみました。
すると、
「なぜここで聞き返したのか」
「なぜここは聞かなかったのか」
「なぜこの反応をしたのか」
など、自分自身にもかなり細かい判断があることに気づきました。
これは今回の探索には必要な作業でしたが、同時に、
**インタビューをすることと、自分自身の実践を分析することは別の仕事だな**とも感じました。
今後は、
「インタビューを実施する」ことと、
「実施後の詳細な振り返り・分析を行う」ことは、
必要に応じて分けて考えていきたいと思っています。
インタビューの仕事で大切にしたいこと
今回の実践を通して、私が大切にしたいことが少しはっきりしました。
それは、
**「正しい答えを引き出す」より、「その人の言葉が出てくる状態をつくる」こと。**
質問への答えだけでなく、
考える時間も。
迷いも。
言い直しも。
話題が少し横にそれることも。
その人が話している時間の一部として受け取る。
必要なところだけ問い返しながら、
その場で出てくるものを大切にする。
そんなインタビューをしています。
外部のインタビュアーとして
社内の人には少し話しにくいこと。
質問されると、つい「正しい答え」を探してしまうこと。
自分たちだけでは、なかなか聞きにくいこと。
そんなときに、外部の聞き手が一人入ることで、少し違う言葉が出てくることがあります。
私は、
**「話させる人」ではなく、話せる状態を整える人**
でありたいと思っています。
1名とのオンラインインタビューを基本に、
ユーザーインタビュー、ヒアリング、定性調査などに対応しています。
必要なところだけ入る
外部インタビュアーとして、ご一緒できればと思います。