学会発表や論文執筆に向けてデータを集めたのに、いざRに読み込ませたらエラーの連続…そんな経験はありませんか?
「ここからどう統計処理を進めたらいいか分からない」「仕事が忙しくてデータ整理まで手が回らない」というお悩みは、現役医療職の方から本当によくいただきます。
今回は、統計解析(Rなど)をスムーズに進めるために、事前に確認しておくと安心な「データの準備手順」を2つにまとめました。
1. 「1行=1症例」にするだけで、エラーの多くは防げる
解析ソフト(Rなど)にデータを読み込ませる際、最も基本となるのがシンプルなデータ構造です。原則として**「1行につき患者様1人分」「1列につき1つの項目(年齢、性別、検査値など)」**の表を作成します。
【基本のレイアウト(1人1回の測定)】
ID age sex BMI
ID_001 65 1 22.5
ID_002 52 2 24.1
また、「術前・術後・1ヶ月後」と経過を追う場合や、1人の患者さんから複数箇所のデータを取る場合は、1行に1つの測定結果が入る形式(同じIDが複数行に並ぶ縦長データ)にします。
【複数回・複数箇所のデータを扱う場合】
ID 時点 測定値
ID_001 術前 A
ID_001 術後 B
ID_001 1ヶ月後 C
【避けたいレイアウト】
・セルの結合(タイトル行や見出しの結合)
・表の末尾に平均・合計などの「集計行」を入れること
(Rが1人分のデータとして誤認識してしまいます)
2. 個人情報は解析に不要 あらかじめ削除・匿名化を
医療データを外部へ共有する際は、研究倫理および個人情報保護の観点から適切な匿名化処理が不可欠です。解析作業には患者様の特定につながる情報は不要ですので、送信前に必ずご確認をお願いいたします。
【削除・置き換えが必要な項目】
患者様のお名前・イニシャル
カルテID・受診番号
住所・電話番号など
【推奨される対応】
1. 一番左の列(1列目)に「ID_001」「ID_002」のような連番(研究用ID)を振る
※元のカルテ番号と研究用IDの対応表は、ご自身で厳重に保管しておいてください(外部共有・送信は不要です)。
2. 生年月日はそのまま掲載せず、「データ測定時点(検査時など)の年齢」に換算して数値のみ(例:65)で入力しておく
データ整形や統計解析でお困りでしたらご相談ください
「自分のデータが解析できる状態か分からない」
「データクレンジング作業からお願いしたい」
そうしたお悩みに、研究の背景やデータの意図をしっかり伺った上で、データ整形からRでの解析、論文・発表用図表の作成まで丁寧にお手伝いします。
「まずはデータを見てもらいたい」といった事前のご相談は無料ですので、お気軽にメッセージよりお問い合わせください。
次回は、「ExcelからRにデータを移す際に、エラーで止まってしまう『表記ゆれ』の具体的な防ぎ方」を詳しく解説します。