第7回 ニューミュージックと都会への憧れ

第7回 ニューミュージックと都会への憧れ

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昭和50年代に入ると、「フォーク」だけでは括れない新しい音楽が広がります。荒井由実、松任谷正隆との活動を深めた後の松任谷由実、中島みゆき、アリス、さだまさし、オフコース、ゴダイゴ、サザンオールスターズ。彼らの音楽は、しだいにニューミュージックと呼ばれるようになりました。

フォークがギターと言葉を前面に出したのに対し、ニューミュージックはピアノ、電気楽器、コーラス、精密な編曲を取り入れ、音そのものを洗練させました。荒井由実の「ひこうき雲」「あの日にかえりたい」には、従来の歌謡曲とは違う言葉の置き方と、都会的な風景がありました。中島みゆきの「時代」「わかれうた」は、個人の痛みを誰もが自分のこととして受け取れる歌へ変えました。

アリスの「冬の稲妻」「チャンピオン」、さだまさしの「関白宣言」、オフコースの「さよなら」などは、ラジオやレコードを通して若者の心へ深く入り込みました。昭和53年に「勝手にシンドバッド」で登場したサザンオールスターズは、日本語の発音やリズムの常識まで揺さぶり、歌謡曲とロックの境を軽々と越えてみせました。

この頃、若者の暮らしも変わりました。大学進学率が上がり、車、オーディオ、ファッション、旅行が若者文化の一部になります。曲の中には横浜、湘南、中央フリーウェイ、港、ホテルといった具体的な場所が現れ、聴く人はまだ見ぬ都会や海辺の生活に憧れました。

歌は、皆で同じ方向を見るためのものから、一人で自分の内面を確かめるものへ変わっていきました。大きなステレオの前でレコードに針を落とし、歌詞カードを読みながら一曲を何度も聴く。あの時間の深さは、音楽がすぐ手に入る今とは少し違っていたように思います。

読者の皆様へ 歌詞カードを読みながら何度も聴いた一枚を、覚えていますか。



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