第2回 東京オリンピックと若大将とエレキ

第2回 東京オリンピックと若大将とエレキ

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昭和39年、東京オリンピックが開かれました。東海道新幹線が走り、高速道路が整い、カラーテレビへの憧れが広がりました。日本中が世界へ追いつこうと背伸びをしながら、同時に大きな自信を持ち始めた時代です。坂本九の「上を向いて歩こう」が海外でも愛され、美空ひばり、三波春夫、村田英雄、北島三郎らがそれぞれの持ち味で歌謡界を支えていました。歌謡曲は、子どもから年配者までが同じ歌を知る国民共通の言葉でした。
そこへ現れたのが加山雄三です。映画「若大将」シリーズの健康的で明るい姿と、「君といつまでも」「蒼い星くず」などの歌は、海、恋、スポーツ、都会的な生活への憧れを運んできました。自ら曲を作り、ギターを弾き、伸びやかに歌う姿は、それまでの歌謡スターとは少し違っていました。
エレキブームはビートルズ来日だけで突然始まったわけではありません。ベンチャーズ人気、寺内タケシらの活躍、若大将映画などが重なり、すでに若者の間ではエレキギターが熱を帯びていました。学校や家庭では「エレキは不良の音楽」と眉をひそめる大人もいましたが、若者には胸の奥を直接揺さぶる自由の音でした。
そして昭和41年、ビートルズが来日します。日本武道館での公演はテレビでも放送され、厳重な警備や熱狂する若者の姿まで含めて社会的な事件になりました。音楽は、作曲家が作り歌手が歌うだけのものではない。仲間で楽器を持ち、自分たちの音を鳴らしてよい。その衝撃は日本の若者を大きく動かしました。私が中学校へ入ったのも、まさにこの年でした。
読者の皆様へ 皆様の町にも、エレキギターを抱えた若者はいたでしょうか。
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