亜麻色の髪の乙女

記事
コラム
風薫る5月。
この時期になると私は、
いつも『亜麻色の髪の乙女」と言う曲を思い出すのです。
これは私が中学2年の時ですから
今から55年ほど昔のヒット曲で、
ヴィレッジシンガーズと言うグループが歌ってました。
数年前に島谷ひとみが歌って再び大ヒットしましたが、
元歌はスローなバラード調で
ボーカル清水道夫の深みのある甘くソフトな声と抜群の歌唱力が
この曲の美しい旋律と歌詞をさらに際立たせていて
私は大好きだったんですね。
春風そよぐ花の香りのする丘。そんな情景を私は思い描くのですが、
どうでしょうか。

中学3年の時、4泊5日の修学旅行がありました。
確か4月末に出発したと記憶しています。
その最終日、浅草の国際劇場だったでしょうか、
そこでショウを観賞しました。
そのショウの合い間に「思い出の指輪」が上映されましてね。
全編にヴィレッジシンガーズのヒット曲である「バラ色の雲」や
「虹の中のレモン」とかが流れ、
もちろん「亜麻色の髪の乙女」も歌われ、
まるでレモンの雫のような透き通った映像が
とても印象的な映画でした。

この映画のヒロインは「尾崎奈々」というとても綺麗な女優さんで、
今はどこでどうしているのか全くわかりませんが、
当時は清純派女優としていろんなものに出ていました。

上町行政区に
TS君という純情かつ大変なロマンチストの同級生がおり、
山王神社の裏山からの眺めを誰よりも愛したことで有名な彼が、
この尾崎奈々の大ファンになりました。
ちょうどその時分、七十七銀行のイメージガールが彼女だったわけです。
当時は七十七銀行宮崎支店が、TS君の家の2件隣にありました。
(今は無くなっていますけど)
悪いことに、銀行の外の立て看板に、
にっこり微笑んだ等身大の彼女のポスターが貼り出され、
TS君は日々何度もそこを通っては、
ポスターの彼女を見ていたわけです。

場所が場所だけに
あまりにうろついていては怪しまれるからという
もっともらしい言い訳を思いついた彼は、
ある日、皆が寝静まった夜更けにこっそりそのポスターを失敬してきて、
自室の壁に貼るという大胆な行動に打って出たのでした。

この出来事を詳しく覚えているというのも、多分私にしてみれば、
ちょっと悔しいと言う思いがあったからかもしれません。
そんなこともあって、
「亜麻色の髪の乙女」は忘れられない曲の一つになっているわけです。
それにしても、乙女という日本語は
もうすっかり死語になってしまったのではありますまいか。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す