このところとても忙しく、
前回の記事から大分時間が空いてしまいました。
鑑定もなかなか出来ず、大変申し訳ございません。
そんな中でもブログの記事を見てくださって、
お気に入りに登録してくださる方も時々いらっしゃるので、
お詫びに少しでも興味深いトピックを提供したいと思い、
筆を執った次第です。
さて、今回はタロットの大アルカナ「世界」について、
意味はとてもわかりやすいカードなので、
そちらについては触れず、
個人的な考察をまとめました。
鏡リュウジさんの『タロットの秘密』にも書かれているように、
「世界」のカードの図像は、
人物と共に主に円形の中に景色が描かれているものと、
アーモンド型あるいは楕円形のリースの中にいる人物と共に、
四隅に人、雄牛、獅子、鷲が描かれているものの、
二つのパターンがあります。
例外として、ソーラ・ブスカ版の21番のカードは、
円の上に垂直に交わる線が描かれています。
また、ミンキアーテ版の39番のカードは、
景色ではなく地球儀らしきものが描かれており、
その周りに四人の天使が配置されています。
マンテーニャタロットは33番のCOSMICOのカードが、
一般的な「世界」のカードに対応していると思われますが、
当時の天動説に基づく宇宙観を反映した、
41番から50番のうちの数枚と、
20番APOLLO、29番ASTROLOGIA、30番THEOLOGIA、
の図像も「世界」と類似する点が多いです。
図像は少し違いますが、音楽や詩など芸術関連のカードには、
共通して円球が登場するのも興味深いですが、
今回それについては触れません。
ここまで大まかに「世界」と関連性のある図像を見てきましたが、
例外も含めて共通点として「円」が意識されている事と、
マンテーニャタロットと類似の、
人物と円形の景色という構図のカードは、
天文に関係がありそうな気配は感じられたと思います。
次にタロット好きの方はご存知かと思いますが、
四隅に人、雄牛、獅子、鷲の図像についての説明に移ります。
長くなりますのでここでいったん区切り、
「世界」のカードが最終的になぜ21という番号を振られ、
あの図像となったのかという謎への考察を、
続けて記事にしていきたいと思います。