テクノロジー「血が出る木」

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【赤い血】



本来植物の枝を折ると
透明かやや白い液体が出ますが
赤い液体が出る「流血樹」と言う
珍しい木があります。


なぜ樹液が赤いのかと言うと
木の樹液の中にある
糖とアントシアニジンがくっつき
真っ赤な樹液になってるのです。


どの植物の樹液にも糖が入ってて
この糖が寒さから身を守る役目をし
特に寒い地方の植物に多く含まれ
樹液を凍らせないようにしてます。


しかしこの流血樹は
熱帯の植物なので糖が少なく
その代わりにアントシアニジンが
多く含まれてます。


アントシアニジンが多くある植物は
この他にもブドウやイチゴや
ナスや紫キャベツやブルーベリー等
これらも液体に色がついてます。


でも流血樹は
アントシアニジンが他の植物より
多く含まれてる為真っ赤な色になり
血を流してるように見えるのです。


樹液が化石化した宝石の琥珀は
普通の植物からできた物なら
透明か茶色になりますが
流血樹場合真っ赤な琥珀が出来ます

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【構造】



人の血液は
血管の中で酸素を素早く運ぶ為
酸素が鉄分とつくので鉄分が錆び
血の色が赤くなってます。


しかし植物は
血管の代わりに「葉脈」があり
これが植物の栄養を運ぶ為の
血管の役割をしてます。


この葉脈とは
水を運ぶ「道管」と
栄養を運ぶ「師管」があり
この2つが束になった物です。


葉脈の正式名を「維管束」と言い
ここを流れる樹液が赤い植物を
リュウゼツラン科ドラセナ属と言う
グループの植物なのです。


そして「流血樹」単体の本名が
「ドラセナ・ドラコ」と
「ドラセナ・シナバリ」の
この2種類を「流血樹」と言います


ドラセナ・ドラコは
大西洋のカナリア諸島にあり
ドラセナ・シナバリは
インド洋のソコトラ諸島にあります


乾燥や暑さに強く
成長速度がとても遅いですが
20m位まで成長して剣みたいな葉が
1年中緑のままになってます。
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【進化と用途】



普通の植物は
太陽の光を全部の葉に当てる為
葉同士が重ならないように
大きく枝を広げます。


しかし竜骨樹は
光合成より海から吹き付ける
風の中の水分を集める事に特化させ
キノコみたいな形に進化しました。


この木の枝と葉で
風の中の霧状の水分を受け止め
木の根に水分を垂らしていき
乾燥地域で生き延びてるのです。


流血樹の名前の由来は
古くから人々が神秘的で目立つ物を
神秘的な動物「ドラゴン」に見立て
このような名前を付けたそうです。


2000年前から流血樹は
人々の生活の中で使われ
医薬品や染料や魔術用具や
観葉植物としても活躍してました


樹液を乾燥させ水分を抜いて固めた
「麒麟血」という石みたいなものは
止血や鎮痛剤に使えて質が良い物は
高値で取引されてたようです。


あの有名なバイオリンの
「ストラディヴァリウス」にも
染料として流血樹が使われたと言う
記述が存在します。


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