今回は、人気ライトノベルシリーズ「魔法科高校の劣等生」について、私個人の見解を述べたいと思います。
この作品の強みは、何と言ってもその世界観とリアリティにあるでしょう。
近未来。そして、魔法と科学の融合した世界。
そんな中で、主人公である少年が妹や友人たちと共に”社会”と戦うという構図。
多々ある要素の中で、こうして掻い摘んで提示してみても、面白そう! と思われる方は多いはず。
そして事実、その中身は、練り上げられた圧倒的な世界観とリアリティが詰め込まれ、読者の機体を煽り、応え続ける。
さて、前置きはこれくらいにして(好きな作品故に長くなってしまった)、これから私の分析を述べていきます。
この作品における強みは、先に述べた”広がりのある世界観”と”リアリティ”、そして、”主人公が最強”であるという点にあると、私は考えています。
以下、詳細を述べます。
〇広がりのある世界観について
広がりのある世界観は、読者の、特に知的好奇心の部分を刺激します。
それはさながら、未開拓の土地を開拓していく冒険家のような心持ち。研究者と言い換えても、いいかもしれません。
この先、どんな世界で魅せてくれるのか。立ち塞がる壁を、どうやって乗り越えていくのか。
そういったものを疑似体験させてくれるのが、広がりのある世界観というものなのです。
この点に関しては、狭苦しい現代に生きる私たちだからこそ、より欲しているものと言ってもいいかもしれません。異世界ファンタジーものの流行然り。
一応、勘違いを防ぐため言っておきますが、創作における世界観が、絶対に広がりのあるものでないといけない、というわけではありません。
狭い世界の中で完結する作品であろうと、面白いものは面白いです。ラブコメとか、セカイ系と呼ばれる作品群とか。
〇リアリティについて
創作における”リアリティ”は、字面通りの意味ではありません。そもそもがフィクションですから、リアリティ、現実感とは結局相反することになります。
魔法? そんなもの現実にはないんですけどw みたいな。でもこんなことファンタジー小説を読む人は口にしませんよね。
説得力、と言い換えた方が分かりやすいでしょうか。
要は、読者を納得させ、その作品の中に浸らせ続ける力があるかどうか、というある種の指標で、必ずしも面白さに寄与するわけではありません。
しかしながら、リアリティに欠ける作品は、読者を落胆させます。本の世界に入り込もうとした読者を、現実に押し戻してしまうのです。
これは、面白い面白くない以前の問題。なにこれ? と読者に反感を持たれたが最後、その作品は最終ページまで読まれることなく、途中で捨てられてしまうでしょう。
これを回避するための”リアリティ”というわけです。
またリアリティは、世界観構築のための土台でもあります。
世界観を厚いものにするか、薄いものにするか。
薄っぺらい程、やっぱり、なにこれ? と思われてしまいやすくなります。
ただ、逆に厚すぎても、これもまた、なにこれ? と思われやすくなるので注意が必要です。読み進める際の障害になる程の厚さは、面白さを目減りさせます。
従って、作品を作る際に選んだ題材によって、厚いものにするか、薄めるのか。その塩梅を見極めるのが、非常に重要になるでしょう。
ただし、リアリティに欠けても、それを吹き飛ばすくらいの”何か”があれば、面白いと言われる作品になることがあります。
”何か”の例としては、ギャグとか、ノリとか、でしょうか。残念ながら私では力不足のため、この点についてこれ以上は語ることが出来ません。
少々長くなりましたので、続きは次回に。