前回は、「知的資産経営」とは何か、というお話をしました。
『人材、技術、技能、組織力、経営理念、顧客とのネットワーク』等、
財務諸表には計上されないが、会社を支える重要な経営資源が
「知的資産」であり、こうした知的資産を積極的に活用するのが
『知的資産経営』ということでした。
今回は、この『知的資産経営』をどのように導入、進めていくかの
概要について、ご説明します。
会社経営を進めるうえで、何事につけてもそうですが、
『PDCA』サイクルを回して行くことが、『知的資産経営』を
推進するためにも、重要になります。
『PLAN』
STEP 1 『知る』
【知的資産の棚卸し】
・ これまでの経営結果をもとに、会社の強みを把握します。
・ 棚卸しにより抽出した「知的資産」の中から、『本当に強み
といえるもの』は何かを吟味し、絞り込んで、精度を高めていきます。
・ 「SWOT分析」等を活用し、「強みを見える化」させます。
・ 事業活動と知的資産のつながりをまとめることで、
「価値創造のストーリー化」を図ります。
STEP 2 『まとめる』
【「知的資産経営報告書」の作成】
・ 知的資産と事業の関係性を『経営計画』にまとめます。
・ 知的資産への寄与を表す指標KPI(注)を明確にし、その目標達成が
業績の向上に連動するように、計画を立てます。
(注) KPI(重要業績評価指標)とは、業務の達成度を定量的に
把握するための指標。会社の強みを数値化して示す指標であり
営業利益率などの財務指標だけではなく、顧客との関係や
チームワークに係る指標等を発見することで、
「知的資産の管理」を可能にするものである。
『DO』
STEP 3 『伝える』
【知的資産経営報告書を公表する】
⇒ 会社外部との関係の強化や新たな関係づくりのためのツール
・ 作成した知的資産経営報告書を外部のステークホルダー(顧客・
ユーザー、取引先、金融機関等)に開示し、知的資産経営を
外部に伝え、正しい評価につなげます。
STEP 4 『活かす』
【知的資産経営を進める】
⇒ 会社内部のマネジメントツールとして活用する
・ 経営者、管理者、担当者がそれぞれの立場、任務において業績の向上
(KPIの目標達成)に向けた活動を実施していきます。
なお、STEP3とSTEP4は、並行して進めていきます。
『CHECK』
STEP 5 『ふりかえる』
・ 進めてきた知的資産経営の取組について、一定の期間が経過したら、
方向性のズレや不徹底がないか、チェックを実施します。
『ACTION』
STEP 6 『見直す』
・ 『ふりかえり』を踏まえ、知的資産経営における実践上の不十分な
点を明らかにし、その状況に応じて
① キャッチアッププランを策定し、実行する
② 計画自体の軌道修正を図る
③ さらに強みの抽出まで戻ってやり直す
により、知的資産経営の「見直し」を行います。
次回からは、各STEPの内容についてご説明したいと思います。
以上、富太郎でした。
出典・参考:中小企業診断士 2020年度理論政策更新研修 資料
中小企業基盤整備機構 事業価値を高める経営レポート作成
マニュアル改訂版
東京商工会議所 知的資産経営入門ガイドブック
☆ 過去に「コラム」に投稿した内容の再掲示です。