アフターコロナ 経営改善への道 10

アフターコロナ 経営改善への道 10

記事
コラム

「業務内容の見直し」をします。社長!

認定支援機関の主な支援業務の内容・プロセスについて、ご説明しています。
これまでに、
STEP 1  経営課題の把握
(1) 企業概要の把握
(2) 事業概況の把握
(3) 財務に関する概況把握 
(4) SWOT分析
(5) 窮境原因の把握と除去可能性

現在、STEP 2 『経営改善計画書策定』 に入り、
(1) 経営改善の検討
    ① 事業内容の見直し
    ② 業務内容の見直し
    ③ 財務構造の見直し 
    ④ アクションプランの策定
(2) 計画書の策定
のうち、前回は「事業内容の見直し」について、ご説明しました。

今回は、『業務内容の見直し』です。
前回の「事業内容の見直し」で継続することになった「損益管理単位」に
ついて、「さらなる売上高の拡大」、「コストの削減」「運転資金の圧縮」
を検討します。
これらはすべて「フリーキャッシュフロー」の向上につながります。

[1] 売上拡大施策
〇 業務内容の見直しのなかで最初に検討すべきものは「売上高の拡大」
  です。
 ア 売上拡大のターゲットの明確化
   売上高の増大を図るときは、ターゲットとする顧客・市場や製品を
  明確に想定しておくことが必要です。
  [例 アンゾフの成長マップ]
  『製品の視点』⇒「既存商品」「新規商品」
  『対象顧客・市場』⇒「既存顧客・市場」「新規顧客・市場」
  □ 「既存製品」×「既存顧客・市場」
   ・ 市場浸透 ⇒ 既存顧客の維持拡大
            現状の事業の効率化
  □ 「既存製品」×「新規製品」
   ・ 新製品開発 ⇒ 商品ラインナップの拡充
             既存市場での新商品展開
  □ 「既存製品」×「新規顧客・市場」
   ・ 市場開拓 ⇒ 新規顧客への商品提案
            新規地域へ進出出
  □ 「新規製品」×「新規顧客・市場」
   ・ 多角化  ⇒ 新規事業展開に向けてのビジネスモデル構築

  イ 販売単価と販売数量
    売上高の増大を図るためには、売上高を「販売数量」と
   「販売単価」に分解することが重要です。
   a 単価UP
            ・ 製品原価の把握と適切な価格設定
    ・ 安易な値下げの中止
    ・ 差別化による値上げ
         b 数量UP
    ・ 既存顧客の購入頻度の向上
    ・ 新規顧客の獲得
  [2] コスト削減施策
    業務見直しのなかで、売上高の拡大の次に検討すべきなのは、
   コスト削減です。コスト削減は企業の「自助努力」で実現可能な
   事項も多いです。 
    コスト削減を検討する際に重要なのは、事業運営にとって「重要
   不可欠なコスト」と「そうでないコスト」を峻別した上で、必要な
   コストは十分にかける一方で、不必要なコストは削減することです。
    ここでも、売上高と同様に分解の考え方が有用で、コストを
   「変動費」と「固定費」に分解して検討します。
    a 変動費の削減 = 単位あたりのコスト低減
             ・ 購入数量・タイミングの見直し
     ・ 仕入先への協力要請
     ・ 外注費等の内製化
    b 固定費の削減
         ・ 役員報酬の削減
     ・ 裁量的経費の削減
     ・ 人件費水準の引き下げ、配置転換
     ★ 最初に削減可能性を検討すべきは、接待交際費や広告宣伝費
      等の裁量的経費や、役員報酬です。
       次に検討すべきは、金額的影響の大きい人件費です。
      その他のコストについても、費用対効果や投資回収期間等の
      視点から、不要不急のコストは削減する必要があります。

[3] 運転資金改善(運転資金効率の向上)施策
  業務内容の見直しには、運転資金の圧縮もあります。これもコスト削減と
 同様に「企業の自助努力」で実現可能な項目が多くあります。
 ア 運転資金の改善施策
  運転資金 = 売上債権 + 棚卸資産 - 仕入資金 で表されます。
  運転資金を改善(圧縮)するためには、「売上債権の早期回収(債権管理)」
  や「仕入債務の支払管理(債務管理)」、「棚卸資産の圧縮(在庫管理)」が
  重要になります。

 イ 債権管理の内容 (売上債権の圧縮)
   a 回収条件の見直し
            ・ 回収期間の短縮
    ・ 現金販売や代金前受け
         b 請求管理
    ・ 速やかな請求
    ・ 入金の個別消込み
    ・ タイムリーな督促

  ウ 債務管理の内容 (仕入債務の適切な支払)
   a 支払条件の見直し
            ・ 支払期間の延長
      (信用不安リスクに留意)
         b 発注・納品管理
    ・ 発注品のチェック
    ・ 納品のチェック

  エ 在庫管理の内容 (棚卸資産の圧縮)
   a 納期管理
            ・ 短納期要請
    ・ 購入ロットの見直し
    ・ タイムリーな発注
         b 現物管理
    ・ 倉庫の整理整頓
    ・ 実地棚卸
    ・ 長期滞留品の早期処分

 ★ 運転資金の金額は、売上高や仕入高が増加すれば、併せて増加する
  ものですが、「残高水準」の高低を判断する目安として『回転期間』が
  よく利用されます。
   「回転期間』とは、「売上債権」、「仕入債務」及び「棚卸資産」の
  残高を1か月平均の売上高や売上原価(または仕入高)で除したもので、
  各残高が売上高や仕入高の何か月分あるかを表すものです。
   運転資金の回転期間は、経営改善計画の「運転資金計画」においても、
  計画数値算定の基礎として利用されます。

 今回次回は「財務構造の見直し」について、ご説明予定です。
なお、今回取り上げた「売上増加策」「コスト削減策」等については、
過去にもココナラブログ(コラム)でも取り上げていますので、
ぜひ、参考にしてみてください。

                       以上、富太郎でした。

  参考資料・文献
〇 中小機構 『中小企業経営改善計画策定支援研修』テキスト、資料
〇 『金融機関が行う 経営改善支援マニュアル』
    日本政策金融公庫中小事業本部企業支援部[著] (きんざい)







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