毎日のコピペ作業をAIで減らす、1業務からの始め方

毎日のコピペ作業をAIで減らす、1業務からの始め方

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ビジネス・マーケティング
メールの内容を表に書き写す。注文の情報を、請求書にもう一度打ち込む。日報をまとめて、上司に報告する。
毎日のコピー&ペーストの作業は、一つひとつは小さくても、積み重なると大きな時間になります。最近は、こうした作業をAIで減らせるようになってきました。

ただ、いきなり会社の仕事を全部自動にしようとすると、どこから手をつければいいか分からなくなりがちです。この記事では、1つの業務から小さく始める手順を紹介します。

この記事でわかること
・自動化に向いている作業の見つけ方
・1つの業務を選んで、小さく始める5つのステップ
・業務でAIを使うときに気をつけたいこと

ステップ1:まず1週間、コピペ作業を書き出す

最初にやることは、AIを触ることではなく、今の作業を書き出すことです。1週間、次の4つをメモしてみてください。
・何を(例:問い合わせメールの、名前と内容)
・どこから、どこへ(例:メール → 顧客管理の表)
・1回に何分かかり、1日に何回あるか
・間違いが起きたことがあるか

感覚で「これが大変」と思っている作業と、実際に時間を取っている作業は、違うことがよくあります。書き出してみると、意外な作業が上位に来ることもあります。

ステップ2:最初の1業務を選ぶ

書き出した作業の中から、最初の1つを選びます。最初に向いているのは、次の条件がそろった作業です。
・毎日、または毎週、必ず発生する
・手順が決まっている
・元になる情報の形が、だいたい同じ(メールの書式が決まっている、など)
・間違いがあっても、あとで人が気づける
・個人情報や社外秘の情報が少ない

反対に、人によって判断が分かれる作業、毎回形が違う作業、お金の振り込みのように間違いが大きな損になる作業は、最初は避けたほうが安全です。

ステップ3:今の手順を、そのまま文章にする

AIに任せる前に、人がやっている手順を、そのまま文章にします。
・1. 受信箱で、件名が「お問い合わせ」のメールを開く
・2. 名前、会社名、電話番号、内容を、表の新しい行に貼り付ける
・3. 内容に「見積もり」とあれば、担当者に転送する

この手順書が、そのままAIや自動化ツールへの指示書になります。手順を書いているうちに、「実はこの作業はいらない」と気づくこともあります。それも立派な改善です。

ステップ4:「AIが下書き → 人が確認」から始める

最初から、人の手を一切通さない完全な自動化を目指さないことが大切です。まずは、AIが下書きを作り、人が確認して確定する形から始めます。
・問い合わせメール → AIが要点を抜き出して表に追加 → 人が確認する
・注文のメール → AIが請求書の下書きを作る → 人が確認して発行する
・日報 → AIが要点をまとめる → 人が確認してチームに共有する

人の確認が残っていれば、AIが間違えても、お客様に迷惑をかける前に止められます。精度が分かってきたら、確認する範囲を少しずつ減らしていきます。

ステップ5:時間とミスを測ってから、広げる

自動化を始める前と後で、次の2つを比べてください。
・その作業に、1日何分かかっていたか
・間違いが、何件あったか

効果がはっきりすれば、次の業務に広げるときの判断がしやすくなります。社内で「AIを使ってみよう」という空気をつくるのにも、具体的な数字は役に立ちます。

部署別:最初の1業務の例

どんな作業が候補になるのか、部署ごとの例を挙げます。
・営業:問い合わせメールの内容を顧客の一覧表に転記し、返信の下書きを作る
・経理:注文や納品の記録から、請求書の下書きを作る
・店舗:予約の内容をもとに、前日の確認メッセージの文面を作る
・総務:会議のメモから、議事録の下書きと「次にやること」の一覧を作る

今お使いの道具の上で始められることも多いです。たとえば、Gmailとスプレッドシートを使っているならGoogleの自動化の仕組みと、OutlookとExcelを使っているならMicrosoftの自動化の仕組みと、AIを組み合わせる方法があります。新しいシステムを一から入れなくても、まずは今の道具の延長で試せます。

業務でAIを使うときに気をつけたいこと

・入力した内容が、AIの学習に使われるかを確認する
OpenAIは、ChatGPTの法人向けプラン(BusinessやEnterpriseなど)とAPIでは、標準では業務のデータを学習に使わないと説明しています。Anthropic(Claude)も、法人向けプランとAPIでは、お客様が入力した内容を学習に使わないとしています。一方、個人向けのプランでは、学習に使うかどうかを利用者が設定で選ぶ形になっています。仕事で使う前に、プランと設定を確かめてください。

・個人情報を入れるときは、特に慎重に
個人情報保護委員会は2023年6月に、生成AIサービスの利用に関する注意喚起を出しています。個人情報を入力する場合は、利用目的の範囲内かを確かめること、サービスを提供する会社がそのデータを機械学習に使わないかを確かめることなどが示されています。

・最後は人が責任を持つ
AIは間違えることがあります。金額、宛先、日付など、間違えると困るところは、必ず人の目で確かめてください。

まとめ

・1週間、コピペ作業を書き出す
・毎日発生し、手順が決まっていて、人が確かめられる作業から1つ選ぶ
・今の手順を文章にする
・「AIが下書き、人が確認」から始める
・時間とミスを測ってから広げる

小さく始めて、効果を確かめながら広げていくのが、結局はいちばんの近道です。

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