空想力(その2)

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以前、「100分de名著」(Eテレ)で、アーサー・C・クラーク特集をやっていました。その中で紹介された「幼年期の終わり」は、非常に興味深かったです。SF史上最高傑作との呼び声も高い作品。『地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。乗船していた異星人は人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とは何なのか?』。私自身は読んでいませんが、とても面白そうなお話で、クラークの発想、空想力の飛び幅には脱帽です。

以前ブログに「想像力と空想力は異なる。現実性と非現実性との違いだ」と書きました。また私は「アイデアを出す方法は二つ。組み合わせとアナロジー(類推適用)だ」と思っています。想像、組み合わせ、アナロジーはビジネススキルとして必要で、それがイノベーションにつながります。では空想力は仕事の役に立つのか?答えは、Yes(だと私は思います)。『発想力』(想像、組み合わせ、アナロジー)という言葉には、すでに現実化までのイメージが含まれています。つまり「こうしたら、こんなことが実現する」とイメージする力。これに対し、『空想力』は、問題解決までは含んでいない。いわば「無責任なイメージ」です。高くジャンプして、「理想的なゴール」を設定する。

この理想は、一見実現不可能に見えたほうが、ぶっとんで魅力的になります(ただしあまりに荒唐無稽すぎると、仕事では相手にされません)。非連続に考えるには、延長線上から飛び上がらなければならない。実現の可能性から一旦離れて、無責任でもいいから思いっきりジャンプする。具体的プロセスは不要。例えば、「水道の蛇口から炭酸飲料が出たら素敵だよね」というような空想です(低いジャンプだなあ)。これにも訓練がいります。子どもの頃はできたんだけど、大人になるとなかなかできない。つい「そんなの無理だ。なぜなら・・・」と先に考えてしまう。Don't think! Feel!(燃えよドラゴンより)、これができない。

一般人のジャンプなんてたかがしれているから、空想くらいが丁度いいのです。そのために、たまにはSFでも読んで「空想」に触れるのがよいと思います。私も、まず1冊読んでみました。「夏への扉」(ロバート・A・ハインライン)。日本で映画にもなって現在公開中ですね。猫が出てくるSF(1956年発表)なので、猫好きの私は興味を持ちました。タイムマシンもので、スケール感はありませんが、物語として素直に面白いので、SF初心者の方でも入りやすいと思います。数年に1冊でもSFを読みたいですね。

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