スマホのメモ帳や手帳に、副業のアイデアがいくつも書き留められていませんか。
ブログ、コンサル、動画編集、せどり、講師業。思いついたときにメモしておいたアイデアが、気づけば10個近くになっている。でも、どれも中途半端なままで、結局どれにも手をつけられていない。
僕自身、この状態に長く覚えがあります。アイデアや情報だけは増えていくのに、実際に手をつけたものはほとんどない。10年以上、頭の中の候補リストを増やしては、選べずに終わるということを繰り返していました。
この記事では、副業のアイデアが多すぎて動けない人に向けて、候補を減らすための3つの基準を書きます。
この記事で扱う範囲
今日扱うのは、新しいアイデアの見つけ方ではありません。すでにある候補を、どう絞り込むかという話です。
多くの人は、迷ったときに新しいアイデアを増やそうとします。しかし、必要なのは増やすことではなく、減らすことです。まず、なぜアイデアが多いと動けなくなるのかを整理し、次に候補を減らすための3つの基準を、順番に紹介します。
なぜアイデアが多いと動けなくなるのか
理由は、選択肢が増えるほど、比較検討にかかる負担が大きくなるからです。
2つの選択肢を比べるのと、10個の選択肢を比べるのとでは、必要な検討の組み合わせの数がまったく違います。選択肢が増えるほど、「これとこれを比べたら」「いや、こっちの方が」という検討が延々と続き、決断そのものにたどり着けなくなります。
さらに厄介なのは、選択肢が多いと、どれを選んでも「もっと良い選択肢があったのでは」という後悔がつきまとうことです。この後悔を避けたい気持ちが、決断そのものを先延ばしにさせます。
僕自身、候補が増えるたびに、「もう少し情報を集めてから決めよう」と先延ばしにしてきました。候補を増やすことは、決断から逃げるための、都合のいい言い訳にもなっていたのだと思います。候補を増やしている間は、可能性を検討している自分に、それなりの充実感すら覚えていました。実際には、可能性を広げているのではなく、決断そのものを遠ざけているだけだったのですが、そのことに気づくまでには時間がかかりました。
もう一つの問題は、候補が多いと、それぞれの検討が浅くなることです。10個のアイデアに同じだけの時間を割こうとすると、1つあたりにかけられる時間は限られます。結果として、どのアイデアも表面的にしか検討できず、決め手となる材料が得られないまま、堂々巡りが続きます。
これは、心理学で「選択のパラドックス」として知られている現象とも重なります。選択肢が多いほど、人は満足度の高い選択ができると考えがちですが、実際には選択肢が多すぎると、決断そのものが難しくなり、決めたあとの満足度もかえって下がることが分かっています。副業選びも例外ではなく、候補を増やすことは、必ずしも良い結果につながりません。
候補を減らす基準1:避けたい条件に触れるものを外す
1つ目の基準は、自分がすでに分かっている「避けたい条件」に触れる候補を、機械的に外すことです。
体力を大きく使う作業は避けたい。人と直接やり取りする働き方は苦手。初期費用は数万円までしか出せない。こうした条件は、多くの場合、すでに自分の中にはっきりとあります。
候補リストを一つずつ見て、この避けたい条件に触れるものがあれば、内容がどれだけ魅力的に見えても、思い切って外してください。魅力を感じることと、続けられることは、別の問題です。
この基準を使うときのコツは、「本当に無理なのか」を毎回考え直さないことです。避けたい条件は、すでに自分の中で答えが出ているものなので、候補ごとに悩み直す必要はありません。機械的に、淡々と外していく作業だと考えてください。悩む時間を減らすことも、この基準の大切な役割です。
僕の場合、この基準を先に当てはめていれば、在庫を抱えるせどりや転売は、リストに残らなかったはずです。在庫を置く場所も、荷物を運ぶ体力の余裕も、もともとなかったからです。魅力的に見えるという理由だけで、避けたい条件に触れる候補を残し続けたことが、遠回りの一因でした。
候補を減らす基準2:経験からかけ離れすぎているものを外す
2つ目の基準は、自分のこれまでの経験と、あまりにかけ離れている候補を外すことです。
まったく新しい分野に挑戦すること自体は、悪いことではありません。ただ、経験のない分野は、学ぶことに時間がかかり、成果が出るまでの期間も長くなります。50代からの副業では、この時間の余裕を意識する必要があります。
候補リストの中で、自分がこれまで積み重ねてきた経験や知識と、ある程度つながりのあるものを優先してください。完全に一致していなくても構いません。関連する部分が少しでもあれば、初心者としてのスタートよりは有利に進められます。
つながりの強さは、厳密でなくて構いません。「まったく同じ」である必要はなく、「似た性質の作業を含んでいる」程度でも十分です。たとえば、資料をまとめる仕事をしてきた人であれば、文章にまとめる副業だけでなく、情報を整理して人に伝えるという広い意味でのつながりを持つ候補まで、対象に含めて考えることができます。
僕自身、実務で培ってきたGASやAI、業務改善の経験とつながりのある分野は、まったく新しいジャンルよりも、圧倒的に動き出しやすいと感じています。ゼロから学ぶ必要がないぶん、最初の一歩にかかる労力が大きく減るからです。
候補を減らす基準3:今すぐ小さく試せないものを外す
3つ目の基準は、大きな準備や初期投資がないと始められない候補を、いったん外すことです。
店舗が必要、大きな初期費用が必要、資格取得に数年かかる。こうした候補は、始めるまでの距離が長く、動き出す前に力尽きてしまいやすくなります。
候補リストの中から、今週中、あるいは今月中に、無料か低コストで小さく試せるものを優先してください。すぐに試せる候補ほど、実際の経験を早く積むことができ、次の判断材料も早く手に入ります。
大きな準備が必要な候補を、完全にあきらめる必要はありません。ただ、最初に手をつけるべきなのは、今すぐ動ける候補です。すぐに動ける候補で経験を積んでから、大きな準備が必要な候補に戻ってくるという順番でも、遅くはありません。「今すぐ試せるか」という基準は、候補そのものの良し悪しを決めるものではなく、あくまで「今、最初に手をつける順番」を決めるためのものです。準備に時間がかかる候補が、将来的に大きな価値を持つこともあります。ただ、迷って動けない状態が長引くくらいなら、まずはハードルの低い候補で一歩を踏み出し、動きながら考える方が、結果的に早く前進できます。
候補を減らすフィルターシート
・候補を書き出す(思いつく限りすべて)
・避けたい条件に触れるものに印をつける
・自分の経験とかけ離れているものに印をつける
・今すぐ小さく試せないものに印をつける
・印が一つもついていない候補が、今動くべき候補
今日は、新しいアイデアを増やす必要はありません。今持っている候補リストに、上の3つの基準を当てはめてみてください。印がつかずに残った候補が、今、最初に動くべきものです。
まとめ
副業のアイデアが多すぎて動けないとき、必要なのは新しい候補を増やすことではなく、今ある候補を減らすことです。
避けたい条件に触れるもの、経験からかけ離れているもの、今すぐ小さく試せないもの。この3つの基準で候補を絞り込むと、迷いの多くは自然に解消されます。
僕自身、候補を増やし続けることで、決断から逃げていた時期がありました。この3つの基準を当てはめても、それでも複数の候補が残ったり、逆にどれも当てはまらなかったりすることもあると思います。そんなときは、一人で判断せず、客観的な視点を借りるのも一つの方法です。
50代の副業・働き方の迷いを整理します
6占術と自己分析を組み合わせて、経験、強み、合いやすい働き方、次に試す候補までを言語化します。
占いだけで進む道を決めるものではなく、将来の収入や成功をお約束するものでもありません。ただ、何から手をつければいいか分からない段階の入口として使っていただけます。