やる気が出ないときは

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 さて、今回は具体的な勉強法や教材の話ではなく、メンタル的な話になります。今後はこういった内容の記事が増えるかもしれませんが、このあたりも個人的見解と言いますか、あくまでも私が塾にいたころにしていたアドバイスですので、使えそうな部分があればぜひ参考にしてください。

 11月は、夏休みと冬休みの間であり、受験生にとっては疲れが出始める頃だと思います。たくさんの模試をこなし、その結果に一喜一憂して、やらなければならないことに追われ、ふとしたときに自分はいったい何をしているのかわからなくなる、そんな時期です。

 そこで、今回はやる気が出ないときの対処法といいますか、ちょっと行き詰まっちゃったときの気の持ちようについてです。もしもそんな状態で悩んでいる人がいましたら、次の3つを試してもらえたらと思います。


 ① 第一志望の学校に行ってみる

 11月の模試の結果次第で、受験校を変えなければならない人もいるかもしれません。それでも、やはり第一志望の学校って格別でしょうし、そう簡単には諦めきれないものだと思います。だからこそ、実際にそこに足を運んで、校舎を見て、現役生を見て、刺激が得られればと思います。

 これはオープンキャンパスであるとか学校説明会といった公式のイベントに参加するという大規模な話ではなく、それこそ目の前まで行ってみる、というだけでもいいと思います。

 コロナ禍の今はどういう状況なのか、学校によって事情は違うでしょうけれど、在校生に紛れ込んでキャンパス内が歩けれるのであれば、ぜひそうしてほしいものです(高校受験を考えている人の場合は、外から部活動を見学するとかがこれにあたるでしょう)。


 こんな時期にそんなことをする時間はない、という意見もあるでしょうけど、今はあくまでも「勉強に身が入らない時期」という前提で話を進めています。

 そんな状態でただ勉強時間だけを増やしても、「勉強はしているはずなのに成績が伸びない」という現象にはまって、ますますやる気がなくなってしまう可能性があります。

 それならば、一日くらい犠牲にして、気持ちをリセットしてもう一度やり直すくらいの大きな行動が必要になるのではないかと思うのです。


 実際にこの動きをしてもらったときは、多くの受験生が「やっぱり行きたいと思った」「勉強したくなった」となんらかの刺激を受けて帰ってきました。

 その学校に通っている自分を想像してもらえれば、どうしたってワクワクするものはあるでしょうし、がんばって合格したいという気持ちは高まるはずです。

 中には「高望みということがハッキリわかった」と第一志望を諦めることにつなげた人もいましたが、これはこれで今後の受験方針を考える上では重要な分岐点になったように思います。


 よく言われる「今の自分は3ヶ月前の自分」という話ですが、11月の3ヶ月後は2月ですから、受験において方向転換をする上では11月が粘れる限界だと考えます。

 ですので、志望校が固まるにしても変更するにしても、11月のうちに何かしらの決心はしておきたいので、そのためにも改めて第一志望の学校に行ってみるというのもよいのではないかと思うのです。



 ② 勉強以外のすることを決める

 やる気が出ないときに、勉強の計画を立てるのは難しいですよね。

 身近に監視役の人がいてくれれば強制的にがんばらせてもらうこともできるかもしれませんが、やはりそれでは長続きはしないでしょう。

 勉強はあくまでも能動的にするものであって、自分で目的を決めて、そのために必要なことを考えて、やることを決めるのが理想です。


 この流れに乗るために、まずは勉強以外の行動計画を立ててみましょう。

 簡単な例はやはり遊びの計画でしょうか。友達と遊ぶ、家族と遊ぶ、ひとりで遊ぶ、なんでもいいでしょう。他には運動するとか、家の手伝いをするとか、将来のことを考えるとか、そういうことでもいいでしょう。

 スマホのアプリで遊んだり、本を読んだり出かけてみたり、とにかくやりたいことを挙げてください。そしてそれらを実行していくと、自然と勉強に気が向いてくるものです。

 やらなければならないとわかっている勉強に対して、自分からあえて目を逸らすことで、「そろそろ勉強しようかな」とか、「勉強したくなってきた」と思うようになります。

 そのために必要な時間は人それぞれ違うと思いますが、①のときと同様に、やる気が出ない状態を延々と続けていてはいけないと思いますので、大胆な行動をもって大きな切り替えを計るといいと思います。


 ③ 易しめの問題集を解く

 これが一番現実的といいますか、最も実行しやすいでしょう。その分、あまり得られる刺激は大きくないですし、効果も薄いような気もしますが、ちょっと気分が落ちただけというぐらいなのであれば、これくらいでちょうどいいかもしれません。

 勉強に対してやる気がなくなる理由の一つに、問題が難しくてなかなかうまくいかないことが考えられます。

 いっぱい悩んでようやくたどり着いた答えなのに、いざ答え合わせをしたら全然違った……こうなると、どうしたってやる気は削がれます。

 こういう苦労というか経験はもちろん必要だとは思いますけれど、今回はとにかく“やる気がなくなったときの対処法”という観点でのみ話を進めていますので、難しい問題ばかりで萎えているのであれば、易しい問題をサクサク解き進めて、それで丸がたくさんつけば、気分もよくなるでしょうし、自信もつくでしょう。

 それに、簡単な問題ができるようになれば、次のレベルに進みたくなるものです。その時点でやる気は回復しているはずですし、できるはずの簡単な問題でうまくいかないのであれば、また別の心配事につながるはずですので、どちらにせよ状況は一歩進むことになるでしょう。


 以上がやる気が出ないときの対処法です。基本的な方向性としては、やる気がない状態を長続きさせないようにする、ということになります。そのために勉強から離れたり、やるべきことのハードルを下げたりすることを考えた結果が上記の3つの方法になります。どれかひとつでも参考になれば幸いです。

  11月からがんばれば、その成果は3ヶ月後である2月か3月に現れます。受験勉強は、がんばった成果がなかなか出にくいので、やる気を維持することが難しいですが、3ヶ月先に必ず結果が出るはずだと、そう信じてがんばってもらえればと思います。
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