英語の勉強法

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コラム
勉強法についてのお話、最後は英語です。これで5教科すべて終わりますので、これをもとに秋冬の受験勉強に役立ててもらえればと思います。

英語の入試問題は主に「リスニング」「英文読解」「英文法」「英作文」の四つで構成されています。比重としては国語と同様に文章読解がメインになります。また、地域によっては英文法単独の問題はなく、読解問題の中に英文法に関する問題を差し込む形で出題される場合があります。

出題形式や内容によらず、すべてに共通して言えるのは「英単語をきちんと覚えることは重要」ということになります。ただ、中学校で習う単語をすべて覚える必要は全くなく、やはり入試のことだけを考えたら「よく出る単語」はせいぜい200~300くらいに抑えられるでしょう。それに、先述の通り、同じような英文、英単語が使われることが多いので、入試対策をしていれば自然と書き慣れた単語ばかりになりますので、単語を一生懸命覚える作業はあまりしなくてもいいように思います。
また、単語そのものをがんばって覚えるよりも、不規則動詞の語形変化(原形・過去形・過去分詞形)や熟語(特に前置詞を含むもの)の知識を増やすことのほうがよっぽど重要です。特に熟語は、いつでもどこでも登場するたびにメモを取るなり単語帳を作るなりして、一つ一つの機会を大切にしましょう。
英文法も基本的には教科書の例文を覚えてくれれば十分で、難しい印象を与えがちな例外や紛らわしい表現はひとまず置いといてもいいと思います。単元別に言えば「不定詞」「関係代名詞」「分詞」が非常に重要で、次いで「受動態」「接続詞」「比較」あたりを重点的に取り組むといいと思います。
それでは、出題形式それぞれで勉強法や対策についてです。

まずはリスニングですが、これについてはとにかく英語を数多く聞くことが重要です。入試問題での練習ももちろん重要ですが、普段から英語の音を意識して聞くようにしていくといいでしょう。学校の先生の英語の発音とCDなどの機械音声による発音が少し異なるので、入試のことを考えたら市販のものでもネット上のものでも、とにかく機械で音源を聞きながら本文を読んでいくようにするといいと思います。
耳を慣らすために、英語を聞きながら本文を読むことは大事です。そしてその際に、単語と単語のつなぎ目の部分を意識して聞くようにしましょう。英語では発音されない文字がいくつもあったり、息継ぎのタイミングがつかみづらかったりすることがありますので、そういう英語特有の発音方法に慣れるようにしましょう。

続いて英文読解に関してです。これは個人的見解の側面が強いような気がしますが、入試問題はどうしても時間が足りない傾向が強いように思います。したがって、英文すべてを読む時間はなかなか取れないと思っています。要するに、点数を取ることだけ考えたら、設問に答えるためだけに、問題にかかわる部分だけに注目して読むようにしていきましょう。
そのための練習として「語順訳」というものがあります。長文を1文ずつ丁寧に訳していくと、やはり時間切れになりますし、問題と特に関係ない部分が多いので効率が悪いです。そこで使えるのが語順訳で、これは文字通り英文で出てくる単語を前から順に訳して、なんとなく内容が把握できればそれだけで十分だと思うのです。
例えばの話として、次の英文を読んでみましょう。
Yesterday morning, I gave an umbrella to my father at my house when he was leaving for work.
この文を和訳すると、「昨日の朝、私の父が仕事で家を出るときに、私は家で父に傘を渡しました」のようになります。英語は基本的に後ろから訳すことになるので、正確に訳そうとしたら後ろから読まなければいけないので、どうしても時間がかかります。
この英文を前から順に1単語ずつ訳していくと「昨日、朝、私は、あげた、傘、父に、家で、彼が、出発した、仕事に」みたいになりますが、これでもなんとなく言いたいことはわかりますよね。読解問題においてはこれでも十分なのです。この調子でどんどん語順訳を進めて、おおまかな内容が把握できればいいのだと思います。
そして問題を解くにあたり、本文を読む前に設問に注目することも忘れてはいけません。本文に入る前に設問を読んで、何を答えればいいのか、何がわかればいいのかを把握しておかないと、本文→設問→本文と読まなければならないので、どうしても時間がかかります。
そして、設問の答えを決めるにあたり、本文と設問で共通するフレーズを探すようにすればまた効率が上がります。英文読解は国語ほど厄介ではないので、本文のどの部分に注目すればいいのかさえわかれば、そこをそのまま訳すなり抜き出すなりしていけば正解率は上がるでしょう。

次は英文法、英作文についてです。ここに関しては知識がメインになってくるので、英語のルールを正確に覚えたうえで問題練習を多く取り組むことが必要です。
入試問題では「空欄補充(選択肢、単語の穴埋め)」「整序問題(並べ替え)」がメインとなります。これは結局どの教科でも同じですが、入試は同じような問題が多く出されます。ただ、英語の場合は時制や三単現のs、語形変化(現在形、過去形、過去分詞形、-ing形)など、ルールはわかっていても使い方でミスするケースが多いので、その点の注意が必要です。むしろ、「問題そのものが難しくて正解できない」というよりも、「言いたいことはあってるけど書き方が違う」というミスのほうが多いです。
細かいところを言えば、並べ替え問題は記号であっても英語であってもきちんと英文を書くようにしましょう。要するに「イオアエウ」と書いたり問題文の語群を線で消したりするのではなく、ちゃんと英文を書くことが大事です。そして自由英作文は、基本例文のようなわかりやすい英文で構成することを心がけましょう。対策を打たずに英作文を課すと、多くの人は日本語で考えてそれを英文にしようとして苦労します。書きたいことを書こうとすると英単語がわからなくなりがちなので、自分が使いやすい、使い慣れた英文法でまとまった英文を構成するようにしましょう。

以上が入試における英語のポイントになりますが、今回は「勉強法」というよりかは「点の取り方」みたいな話が色濃くなってしまいました。
そしてここまでの5教科の話はすべて、「その教科が苦手な人向け」の話である側面が強いので、特に困っていない人はここに書かれていることは気にせず、自分なりのやり方で進めてもらえればと思います。
それでは、これで一通りの勉強法についてお伝えしました。文字ではなかなか伝わりにくいとは思いますが、実際に取り組んでみるとどういうことかがわかってくると思うので、これを読んでくれたらそのときから少しずつでもいいので、勉強の仕方を考えていきましょう。

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