理科の勉強法

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コラム
今回は理科についての話です。国語・数学・社会と続いて4教科目となります。ここでは公立高校入試にむけて、という目線での話をお送りしています。
理科は物理・化学・地学・生物の4分野に分けてお伝えしていきます。これも何度も断っていますが、あくまでも一つの例としてとらえてもらえればと思います。 

(物理)
1年生では「力と圧力」「光や音」、2年生では「電気」、3年生では「運動とエネルギー」をそれぞれ習います。それぞれに計算問題が含まれますが、計算問題を解くにあたり必ず意識しなければならないのが『単位』です。
例えば、圧力の単位はPaですが、これはN/m2とも表せます。この「/」は分数の横棒、つまり割り算を表しますので、圧力は(そこにかかる力)÷(接する面積)で計算します。単位をちゃんと覚えておけば、面積を調べるときにcmとmで間違えることはなくなるはずですし、どっちをどっちで割るのかを間違えることもないでしょう。
他に、電気や運動に関しては、基本的に実験結果をまとめた表やグラフが伴うはずなので、そこから正確な情報(数値)を読み取って計算する力が必要になります。なので、公式を覚えておけばいいというわけではないので、慣れが必要になります。ですが、計算する際は基本的に「比の式」をうまく使って求めることが多く、問題文の意味(日本語の意味)や何を求めればいいのかがちゃんとわかればそこまで難しくはありません。
ただ、難しい問題と言われる理由は、ひとつの計算式では求まらないことが多く、いくつもの式を組み合わせて、ようやく答えに辿り着くことができるからだと思います。そのあたりが子どもたちにとっては嫌なイメージとなっているのでしょう。
ですが、先述の通り、物理の計算問題でも1つの式であっさりと解ける問題も少なくありません。こういう問題はだいたい各大問の序盤(つまり問1や問2あたり)に出題されることが多いので、見分けるのはさほど難しくないと思います。裏を返せば各大問の最後に出てくるような計算問題は厄介であることが多いということになるので、いざというときは捨ててしまえばいいということになります。
(化学)
1年生で「身の回りの物質」、2年生で「化学変化」、3年生で「イオン」をそれぞれ習います。中学生で習う化学は大半が「そういうものだから」と受け入れるしかないように思います。高校生になってはじめて理屈や仕組みを知る要素が強いので、教える側からすると少し、いや、かなりやりづらいです。
ですが、そのぶん物理よりも暗記で対応できる面が強いので、「こういうものなんだ」と受け入れることさえできれば、ある程度は公式的にシステム的に解くことができるようになります。
ここで重要なのは、化学反応式を正確に覚えることです。何と何がどのように反応して何ができるのか、これらを正確に把握しておけば、計算問題にも生かせます。ここでの計算も物理と同様に、グラフや表から数値を取り出して比の式に持ち込むことが基本方針となりますので、たくさん練習していくうちに「いつもの動き」として定着が図れると思います。
(地学)
1年生で「地震・火山」、2年生で「天気」、3年生で「天体」をそれぞれ習います。地震や天気で少しだけ計算問題は出ますが、これらは算数の文章題みたいなものなので、問題文がしっかり読み取れればそれほど難しくはありません。そしてそれ以外はほとんど暗記で対応できるので、一問一答を中心に、似たような問題を繰り返し解いて覚えるようにしましょう。
(生物)
1年生で「植物」、2年生で「動物」、3年生で「遺伝」をそれぞれ習います。ここでは計算問題はほとんどなくて、やはり暗記で対応することになります。ただ、地学と生物は似たようなもの、紛らわしいもの、2つや3つの比較に関する知識事項も多いため、なんとなく覚えた、というだけでは得点が安定しません。
したがって、地学と同様に一問一答や問題練習を多めに取り組むことはもちろん重要なのですが、一度しっかりと時間をかけて、正確に覚えこむ勉強をしておくべきです。
(理科全般)
ここまでは分野ごとの話でしたが、最後に理科全般についてです。これは社会でも同じことが言えますが「教科書の読み込み」が特に重要となります。
入試問題の大半は、実験や観察をもとにして問題が構成されます。1ページを使って実験や観察の説明や図、グラフに表、結果やまとめを載せて、次のページから問題が始まる、という感じです。
ここで使われる実験の題材や実験器具などは必ず教科書に載っているものをベースに作られますので、教科書が完璧に頭に入っていれば、どの問題でも「見たことある」ものになるはずです。そして実験結果に関しても、数字が変わるだけで仕組みや理屈は同じですから、教科書に載っている結果やまとめをしっかり把握しておけば十分に太刀打ちできるでしょう。

また、地学や生物などでも、図や資料は教科書に載っているものから出題されますので、教科書に載っている図から、各部位の名称や特徴、役割などを覚えるようにしましょう。特に理科では様々な分類が出題されやすいので、正確に区別できるようにしましょう。
例えば、セキツイ動物の分類ではホニュウ類、鳥類、ハチュウ類、両生類、魚類の性質を覚えて区別できるようにすること、寒冷前線と温暖前線の違いを覚えて気象の変化をおさえる、などでしょうか。
その他にもたくさん「どっちがどっちだっけ?」となるような問題は多いです。このあたりが、理科の点数が上がったり下がったりしやすい原因でしょうか。

理科社会は暗記科目とは言われていても、ただ単に用語や公式を覚えるだけでは、実際の入試問題ではなかなか点数が伸びません。
したがって、暗記作業がある程度進んだら、実際の入試問題や類題が載った問題集を解いて、覚えた知識や使い方の確認をしていきましょう。
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