いつからだろう。
お金が手元にあると、どこか落ち着かなくなってしまったのは。
ちょっと余裕ができたり、臨時収入が入ったときに限って、
「このあと何か起こるんじゃないか」と不安になってしまう。
貯金をしても、なぜかすぐ使ってしまったり、
思いがけない出費が続いたり。
「なんでこうなるの?」と自分を責める日もあったけれど、
最近ようやく気づいたことがあります。
それは、私のなかに、
「お金を持っている=責められる」
「豊かでいると、何かを奪われる」
「嬉しそうにしていると、誰かに叩かれる」
そんな記憶が、
深く根づいていたということ。
小さい頃の私にとって、
“嬉しそうな顔”をすると機嫌を損ねられたり、
“余裕を持っている”と「もっとやれ」と詰められたり。
だから、いつの間にか、
「今、幸せを感じてるな」と思った瞬間に、
それがバレないように、見えないように、
どこかで“自分を小さくする”癖が身についていた。
あのときの私は、
持っていたことで叱られた。
嬉しそうにしていたことで冷たくされた。
余裕を見せたことで、追い詰められた。
だから私は、大人になった今も、
"持つ前に手放そうとする"
"喜ぶ前に遠ざけようとする"
そんな癖が、身体に染みついていたのかもしれません。
わたしの中にあった “安心の誤解”
私にとって安心とは、
「何も持たないこと」でした。
何も持っていなければ、奪われることもない。
期待しなければ、裏切られることもない。
喜ばなければ、壊されることもない。
だから私は、「減らしておくこと」で心の平穏を守っていた。
それは、とてもやさしい防衛反応だったんだと思う。
でも、それは過去の“あの環境”で必要だった方法であって、
今ここで、わたしを守ってくれるものではない。
安心って、本当は
「何かを持っているからこそ、深く呼吸できる」
「喜んでいても、なにも起きない」
「豊かさを感じても、誰も怒らない」
そんな場所にあるんだと、少しずつ教え直しているところです。
今できる、小さなワーク
1. “持っていること”に体を慣らす
お気に入りのもの(お財布やアクセサリー、小物など)をそっと手に持って、
「これを持っていても大丈夫だよ」
と心の中で繰り返してみてください。
少しずつ、
"持っていても、責められない""喜んでも、壊れない"という感覚を身体に染み込ませていくように。
2. お金が手元にあるときの心の反応を観察する
お金が増えたとき、手元に残っているとき、
自分の中に湧いてくる感情をただ見てあげてください。
・罪悪感?・そわそわする?・誰かに奪われる気がする?
どんな感情も責めずに、
「そう感じてるんだな」と気づいてあげることが、
じわじわと土台を変えていきます。
3. "安心して持っている未来" をほんの少しだけ想像する
何も悪いことが起きないまま、
ただ自分の中に豊かさがある状態。
静かに流れる時間。
無理に使わず、無理に隠さず、
そっとポケットにしまってあるだけの豊かさ。
そんな未来をほんの少しだけ、想像してみてください。
「こうであってもいいかもしれない」と思えるところから、
新しい感覚が芽吹いていきます。
小さい頃の自分を癒すワーク
静かに目を閉じて、手をお腹や胸に当ててみて。
頭の中に、「何かを持ったあとに怒られた自分」「喜んだあとに冷たくされた自分」が浮かんできたら、
その子に、こんなふうに語りかけてみてください:
「あなたは、何も悪くなかったよ」
「嬉しかっただけだよね。ほんの少し、安心したかっただけだよね」
「でも、それすらも怒られたことが悲しかったよね」
「もう、大丈夫だよ。あなたの持っているもの、喜び、余裕……誰にも責められないよ」
そうやって、過去の小さな自分を、今のあなたが“迎えに行ってあげる”。
そのやさしい時間が、少しずつ、豊かさのベースを塗り替えていってくれます。
もしあなたの中にも、
「持つことが怖い」感覚があるなら、
それはあなたのせいじゃないよ。
過去の記憶が、そう思わせているだけ。
そしてそれは、静かに、優しく、
時間をかけてほどいていけるものだから。
あなたの内側の豊かさは、
ゆっくり、でも確かに育っているよ。