ココナラで「被リンク」を検索すると、よく似た売り文句が並びます。「高品質リンク100本」「DR90の強力ドメイン」「上位表示保証」。価格は数千円から数十万円。レビューは星4.5で、コメントは高評価に埋まっています。
安く見える。効果がありそうに見える。買った人が満足しているように見える。
この3つの「見える」を一枚めくると、話がまるで変わります。
■ 買った時点で、ルール違反の側にいる
順位を上げる目的でのリンクの売買は、Googleの公式スパムポリシーで「リンクスパム」として禁じられています。
対象はお金だけではありません。
・金銭での売買
・物品やサービスとの交換
・自分で作った複数サイトから貼るPBN
どれも、評価を操作する目的のリンクとして同じ枠に入ります。
■ 「バレない」前提は、もう古い
GoogleにはSpamBrainというAIの検出システムがあります。2018年から動いていて、いまはリンクの不正も見張っています。
買ったリンクは、パターンに出ます。
・似たアンカーテキストが並ぶ
・脈絡のない場所に置かれている
・増え方が不自然
人が見て怪しいものを、AIはもっと速く見抜きます。
Googleは2022年のウェブスパムレポートで、スパムサイトの検出が2021年比で5倍、2018年比で200倍になったと説明しました。
かつては「リンクスパムアップデート」という名前で、まとめて摘発が走りました。最後の単独アップデートは2022年12月。いまはリンク対策が通常のランキング処理に組み込まれ、常時動いています。
アップデートの日をやり過ごせば安全、という逃げ道はもうありません。今日買ったリンクが、来月そっと無効化される。そういう作りです。
■ 高評価レビューの、時間差のからくり
ここが一番の落とし穴です。危ない商材のレビューが、なぜ星4.5で埋まるのか。
理由は時間差にあります。
リンクを入れると、順位が一時的に動くことはある。買った人はそのタイミングでレビューを書きます。「効果ありました」と。
罰は数ヶ月遅れて来ます。Googleがリンクを評価し直し、網にかかったとき。その頃には納品もレビューも締め切られ、売り手は次のお客さんを探しています。
評価のタイミングと、ペナルティのタイミングがずれている。これが「安いのに高評価の被リンクサービス」が成り立つ理由です。
■ 飛んだあとの復旧は、想像より重い
過去には大手も落ちています。
英国の花配達大手は2013年、地方紙各紙に多数の記事広告を出して被リンクを買いました。結果、自社名で検索してもGoogleからほぼ消えました。復旧まで約11日。ただ、この速さは大手ゆえの異例とされています。
Google公式の復旧手順は、地味で重いものです。
・リンク元へ削除を依頼して、実際に消す
・消せなかったものだけを否認する
・その記録を添えて、人間の再審査に出す
否認ファイルをアップロードするだけでは、審査は通りません。個人サイトや中小の場合、同じようには戻らないと考えておくほうが安全です。
買うときの手軽さと、まるで釣り合いません。
■ 有料リンクが、全部ダメなわけではない
誤解のないように書いておきます。リンクにお金が絡むこと自体は、違反ではありません。広告やスポンサー目的なら、ウェブの正常な一部だとGoogleも認めています。
条件は1つ。ランキング評価を渡さない印を付けることです。
・広告やスポンサー目的は rel="sponsored"(または nofollow)
・ユーザー投稿の中のリンクは rel="ugc"
この印があれば、何本あっても問題になりません。違反になるのは、評価を渡す目的で、印なしのリンクを売買したときです。
■ 集まる被リンクは、設計でつくれる
では、健全な被リンクはどう増やすのか。軸は1つです。
誰かが自分の意思で貼りたくなる理由を、先に用意すること。
具体的には3つあります。
・一次情報を出す。自分で試した数字、現場で見た事実は、他所が引用したくなります
・取材に答える。記者やメディアの募集に自分の実体験で返すと、権威あるサイトから編集リンクが付きます
・決定版を1本つくる。これを見れば済む、という比較やまとめには、自然にリンクが向きます
共通しているのは、リンクを「お願い」していないこと。中身がリンクを呼ぶ構造をつくる。半年後に伸びてくるのは、こちらの積み上げのほうです。
■ 遠回りに見えて、いちばん軽い道
被リンクは、増やすものではなく、増える結果。
わたし自身、順位が動かず遠回りした時期を通ってきました。だから、危ない近道はすすめません。
順位が飛ぶリスクを負って一時的に買うより、集まる仕組みを一度つくるほうが、長い目で軽い道になります。
被リンクの設計や、いま受けているサービスが安全かどうかの見立て。気になることがあれば、購入前のメッセージで気軽に声をかけてください。