※Webサイトに掲載している記事のダイジェスト版となります。
■『ホフスタッターの法則』とは?
『ホフスタッターの法則(Hofstadter's law)』とは、すべての作業に対して正確に所要時間を予測することはできない、という法則です。
つまり、どんなに緻密な計画をしたとしても作業の見込み・見通しは楽観的になってしまう傾向があり、事前の想定よりも時間がかかってしまうことを示した法則と言えます。
◆提唱したのは?
この法則は、アメリカの認知科学者である、ダグラス・ホフスタッター 氏が、1979年の著書『ゲーデル、エッシャー、バッハ あるいは不思議の環』(『GEB』)の中で提唱しました。
ダグラス・ホフスタッター 氏は、1979年にチェスをプレイするコンピューターに関する議論の中で、この法則を紹介しました。
当時、チェスをプレイするコンピューターは、再帰的分析(データに含まれるパターンを特定し整理する手法)では人間を上回っていたにもかかわらず、トップレベルのプレイヤーとの対戦では負け続けていました。
その要因として、次の手を「しらみつぶし」に想定するコンピューターの手法とは異なり、人間のチェスの達人は盤上の局面を即座に認識していたことが挙げられています。
ホフスタッター 氏はこういった傾向をもとに、コンピューターがチェスの世界チャンピオンになるのは「10年後」だろうと予想されていた当時、さらに10年以上かかると指摘しました。
実際に、コンピューターが世界チャンピオンになったのは18年後の1997年でした。
つまり、複雑であったり予測が不可能な要素が絡む場面において、精微に見通す・正確に評価することの難しさを、この法則は示唆しています。
■『ホフスタッターの法則』の発生例
どれくらいの時間で終わるかを楽観的に見積もってしまう『ホフスタッターの法則』は、さまざまな場面で発生します。
◆思っていたよりも時間がかかってしまう・・・
日常生活においては、すぐに終わると思っていた食事の準備に時間がかかってしまう、というケース。
◆思っていた時間内に終わらない・・・
例えば、勉強をする際、「この内容なら1時間で終わるだろう」と見通しを立てていたところ、実際には2時間以上かかってしまった、というケース。
◆タスクが終わらない・スケジュール通りに進まない・・・
ビジネスシーンでも発生します。例えば、プロジェクトのタスク管理やスケジュール管理をする際に、生じる時間の見積もりを「楽観的に」してしまうケースが考えられます。
■なぜ『ホフスタッターの法則』が発生してしまうのか?
発生してしまうと、焦燥感からミスをしてしまったり、集中力が散漫になってしまう、また計画が遅れてしまったり、予算がオーバーしてしまうといった影響を及ぼすことになってしまう『ホフスタッターの法則』。
発生する原因としては、以下の点が挙げられます。
●「脳」に備わっている習性である
●見通しの甘さ
●外的要因を考慮しない
●コミュニケーションの不足
◆「脳」に備わっている習性である
そもそも、行う作業がどれくらいの時間で終わるのかを「楽観的に」見積もってしまうのは、人間の脳が持っている習性の一つと言われています。
◆見通しの甘さ
ビジネスシーンにおいても、「これくらいで終わるだろう」と見積もってしまうことが多くあります。
複数人で取り組むプロジェクトであれば、スキルの高いメンバーをベースに必要な作業時間を想定してしまう、要件や仕様が未確定の項目についてリスクを加味して工数を計上しない、ということが要因として挙げられます。
これらは、過少に・楽観的に捉えてしまう「見通しの甘さ」からくると考えられます。
◆外的要因を考慮しない
どんなことにも「予期しない」ことが起こる可能性があります。
想定通りであれば短時間で終わることであっても、緊急度の高いことが割り込んできたり、仕様が変わってしまうといった、予期しない外的要因が生じることで、見積もった時間よりもかかってしまいます。
◆コミュニケーションの不足
複数人で取り組むプロジェクトであれば、メンバー間のコミュニケーションが円滑でないことによって、事前に見積もった時間よりもかかってしまうばかりか、生産性が低下してしまうことにもなってしまいます。
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