※Webサイトに掲載している記事のダイジェスト版となります。
■『集団凝集性』とは?
所属する集団に留まらせようとする、帰属意識が高い心理的性質を意味する『集団凝集性(Group Cohesiveness)』。
この『集団凝集性』が高ければ、組織に所属する従業員などのモチベーションアップや生産性にもプラスの影響を与えることから、組織力を強化したい人が注目すべき概念です。
◆注目されている背景
近年、市場環境の変化やグローバル化の進展を背景に、企業間の競争は激化しています。
そんな中で、個々のメンバーの能力だけでなく、チーム全体の結束力や一体感が求められています。
また、多様な背景を持ったメンバーが集まることが増えていることもあり、『集団凝集性』が重要視されるようになっています。
◆日本人は特に陥りやすい!?
日本は島国で、ほぼ同一民族で構成されていることから同質性が高く、また高度経済成長期に確立した終身雇用、年功序列、新卒一括採用といったことが影響し、日本人には『集団凝集性』が高まりやすい傾向があります。
■『集団凝集性』の種類
アメリカの社会心理学者で『認知的不協和』という理論や、『社会的比較理論』の提唱者として知られる、レオン・フェスティンガー 氏。
このレオン・フェスティンガー 氏らによると、集団凝集性は「対人凝集性」と「課題達成凝集性」の2つに分けることができます。
どちらか一方だけが高ければ良い、というわけではなく、「対人凝集性」「課題達成凝集性」の2つがバランスよく感じられることで、一体感のある組織づくりが可能になります。
◆対人凝集性
「対人凝集性」とは、集団内においてメンバー同士の「好意的なつながり」によってその集団内に留まらせる魅力を意味しています。
「このチームに所属しているメンバーは自分を認めてくれている」「メンバー一丸になって切磋琢磨している」といったような、所属するメンバーに好意を持つと、集団に対して「帰属意識」が高まって『集団凝集性』が生じるようになります。
◆課題達成凝集性
「課題達成凝集性」とは、集団に所属することで得られる地位や利益、自己実現といった魅力を意味しています。
「このチームにいることでスキルが上がる」「所属することで自身が望むキャリア実現につながる」と感じ、集団への貢献や役割を全うするモチベーションが高まるようになります。
■『集団凝集性』を高めることによるメリット
『集団凝集性』を高めることで、以下の5つのメリットを享受できるようになります。
●「一体感」が生まれる
●「モチベーション」が高まる
●チームのパフォーマンスがアップする
●「心理的安全性」が高まりイノベーションを促進する
●離職率が低下する
◆「一体感」が生まれる
『集団凝集性』が高まることで、チームといった集団全体が「一つの組織」としての意識を持ちやすくなり、一体感を生み出すことにつながります。
また個人ではなく、集団での意思決定を重視するようになるため、結束力が高まることになり、同じ集団内のメンバー同士が助け合う・サポートし合う関係性が築かれ、効果的なチームワークが発揮するようになります。
◆「モチベーション」が高まる
個人としてよりも、集団としての意思決定を重視するようになることから、「メンバーと一緒に頑張ろう」「チームとして掲げた目標を達成したい」といったモチベーションが高まることにもなります。
◆チームのパフォーマンスがアップする
一体感が生まれ、各メンバーが集団としての取り組みや目標達成に対して意欲が増すため、組織全体の生産性向上につながりやすくなります。
能動的に集団内で連携し合うようになり、高いパフォーマンスを発揮するようになる、というわけです。
◆「心理的安全性」が高まりイノベーションを促進する
『集団凝集性』が高まることによって、組織やチームの「心理的安全性」が高まります。
集団内において、自分の意見や気持ちを気兼ねなく安心して表現できる状態を意味する「心理的安全性」。
「心理的安全性」が高い集団であれば、失敗を恐れずに挑戦できたり、先輩や上司などに対して意見をしやすくなるため、アイデアを積極的に出し合ってイノベーションを促進することができるようになります。
◆離職率が低下する
『集団凝集性』が高まると、集団内でお互いに励まし合ったり共感しあえることが増えるようになります。
連帯感が生まれ、心理的安全性が高まることで、集団内での働きに対するストレスも軽減します。
人間関係も良好に築きやすくなることから、快適なコミュニケーションも生まれ、「このチームで働き続けたい」と思うようになり、離職率の低下につながります。