本当にあった怖すぎる話【夏の夜の彼女】

本当にあった怖すぎる話【夏の夜の彼女】

記事
コラム

夏。
薄闇。
家からスーパーマーケットへと向かう途中。

神社の横。
車が一台通れるくらいの幅の、道路の真ん中で。
若い女性が一人佇んでいた。

彼女は、男性である私のことをチラチラ見てくる。
「なんだなんだ何だ?」

私は彼女のことを避けて道路の端を歩き進み、彼女とすれ違った。

と、その時、彼女は手に持っていたスマホを自分の体の前に構えた。
同時に彼女のスマホはキラリと鋭い光を放った。

そして彼女は叫ぶ。

「撮ってますよ!!!」

心臓が跳ね上がった。恐怖に震えた。
「ぎゃあ」私は彼女に背を向けて、早足で進んだ。

目の前の角を右に曲がり、しばらく歩くと、もともとの目的地であるスーパーマーケットが。

スーパーマーケットの店先にやって来ると、後方でまた叫び声が聞こえた。
彼女はまだスマホでこちらのことを撮影している。

確実に動画撮影だ。

「☆□〇☆□〇!!!!!」

甲高い声で何かを叫んでいる。

訳が分からず、私は混乱しながらひたすら謝った。その時は謝るしかなかったのだ。「すみません、すみません、すみません」

なぜにこっちが謝らなければならないのだ?

「☆□〇☆□〇!!!!!」

彼女はスマホで動画を撮影しながら、何かを叫び続ける。
叫ぶ彼女を背に、私は走り出した。

私は何度も何度も後ろを振り返りながら走った。
そのうちに、彼女の姿は見えなくなった……

それから近くのドラッグスストアへ寄り、缶チューハイを一本買って飲み、心を落ち着かせた。

そして二時間ほど夜の町を散歩して、家へと戻った。

帰り道に彼女と会うことは無かった。

私が家を出たのは20時くらいだったのだが、結局帰ったのは23時近く……

とある夏の夜の出来事だ。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

……今でも夕暮れになると、あの時のことを思い出す。

「撮ってますよ!!!」

叫ぶ彼女。

彼女はスマホを構え、私のことを動画で撮影している。
そして私のことを追いかけてくる。逃げる私。
どっくんどっくんと跳ね上がる心臓。
長い髪を振り乱して、追いかけてくる彼女。
夜の町を、私は走り続ける……

一体、あの出来事は何だったのだろう?

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~2026年 夏~


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