イントロダクション
ご覧いただきありがとうございます。私は新卒から8年、戦略コンサルティングファームに在籍しており、学生時代から就活支援団体で戦略コンサルファーム志望者のケース面接対策をさせていただいたり、在籍ファームで実際に面接官を担当させていただいたりしております。
その経験を活かし、下記のようなケース面接・フェルミ推定対策のサービスを提供させていただいております。
実際にサービスをご購入いただく前に、具体的にどのような流れ・どのような品質のサービスを受けられるのかが気になる方が多いかと思います。
そのため、今回は実際のサービスの流れを掲載させていただきましたので、ご購入に際してご参考としていただけますと幸いです。
1. フェルミ推定出題~回答
- お題は三井のカーシェア、タイムズカーシェアの三井不動産系列版です。フェルミ推定と売上向上施策をお題としますが、まずはフェルミ推定から考えてください。まずは4分間個人ワークで解いていただき、4分後にプレゼンをお願いします。なにか質問はありますか?(トム)
- 2点あります。1点目は、範囲は基本的に国内市場で良いか。2点目は、三井のカーシェアはタイムズと同様、Webで予約して利用する時間課金のサービスイメージで合っているか。ほかに前提条件で留意すべき点はありますか?(候補者)
- 1つ目は国内で良いです。2つ目もタイムズ同様、オンラインで予約して時間ごとに課金される仕組みです。三井不動産系列が運営していると想定してください。(トム)
- 承知いたしました。基本的にはC向け(個人向け)市場と認識してよろしいでしょうか。ほかに留意すべきポイントはありますか?(候補者)
- C向けで大丈夫です。(トム)
- 承知いたしました。質問は以上です。ありがとうございます。(候補者)
- そろそろお時間ですが、いかがでしょうか?(トム)
- 今回の三井のカーシェアの年間売上は450億円と推定しました。前提条件と数式の順にお話しします。
式は「利用客数×単価」とし、カーシェアは個人に紐づくため人口アプローチを採用しました。利用客数は「人口(20代以上)×車利用率×カーシェア利用率×三井選択率×利用頻度」と分解しました。
数値は、人口1億人、車利用率80%、カーシェア利用率30%、三井選択率25%、年間頻度は平均10回、単価は7,500円と置いて算出しました。
深掘るべきポイントとして、車を保有しない若年層・都会在住者に刺さるサービスであるため、セグメント分け(都会/地方 × 若年層/高齢層)を行いました。都会の若者が最も利用頻度が高く、地方の高齢層が最も低いと考え、加重平均からカーシェア利用率30%を置いています。以上です。(候補者)
2. フェルミ推定質疑応答
- この数字を実際の市場規模と比較したとき、妥当だと感じますか。それとも大きい、あるいは小さい数字が出ましたか。(トム)
- 比較的妥当な水準だと思います。今回450億円で三井のシェアを25%と置いたため、カーシェア市場全体は約2,000億円になります。日本の総人口でならすと1人あたり2,000円なので、大きく外れてはいない感覚です。(候補者)
- 1人あたり2,000円という数字が妥当だと感じる具体的な理由は何ですか。(トム)
- 車を利用する人数と1人あたりの利用金額で見ると、車利用者は約8,000万人、そのうちカーシェア利用者は30%の約2,400万人です。
市場規模が2,000億円なので1人あたり年間約8,000円となり、単価7,500円から逆算すると平均年間1回強使う計算になります。タイムズなどがメインであることを考えると、妥当な水準です。(候補者)
- カーシェア利用者の平均年間頻度が1回強であるのに対し、設定時に「三井の年間頻度は10回」と置いた数字の差は何ですか。(トム)
- 計算の詰めが甘く誤っていました。三井の10回という設定が正しいと考えます。そう考えると、市場全体の2,000億円という数字は小さい肌感覚を持ちました。(候補者)
- 小さいと感じた理由は。(トム)
- カーシェア利用者は「人口1億人×車利用率80%×カーシェア率30%」で2,400万人です。
これに対し市場全体2,000億円だと、1人あたり年間1万円弱となり、単価7,500円からすると年間1回強の利用になります。
しかし、学生や独身社会人、ファミリー層が長期休暇の旅行だけでも3〜4回は使うと考えられるため、平均年1回強は少なすぎます。これが、算出した値が小さいと判断した理由です。(候補者)
- 分かりました。今回人口(需要)ベースで計算しましたが、それ以外の方法で妥当性を検証するアプローチは思いつきますか。(トム)
- 三井の保有する駐車場の数から、保有しているアセットが年間いくら売り上げるかという供給観点でも検証可能です。(候補者)
- 具体的な式は。(トム)
- 「駐車場の拠点数 × 1拠点当たり平均車台数 × 1日あたりの稼働率 × 営業日数(365日) × 1回あたりの単価」で算出できます。(候補者)
3. ケース問題出題~回答
- フェルミ推定はここまでとし、ケースに入ります。三井のカーシェア(業界2位、主に都心や地方大都市展開)の売上向上策を考えてください。(トム)
- 承知いたしました。期間や目標値など、前提条件はありますか。(候補者)
- 期間は3年、売上目標は1.2倍で考えてください。(トム)
- タイムズが業界1位という中で、三井不動産系列という強み以外に前提となる情報はありますか。(候補者)
- そこだけ踏まえていただければ、その他はご自身で設定して大丈夫です。(トム)
- 承知いたしました。質問は以上です。ありがとうございます。(候補者)
- そろそろお時間ですが、いかがでしょうか。(トム)
- 施策として「新社会人の内定式や入社式等に営業をかけ、アプリ登録を促す施策」を提案します。現状の課題、注力セグメント、施策の有効性について説明します。
まず、売上を上げる上での課題は「三井の選択率向上」です。人口や頻度、単価は動かしづらいためです。特に単価は、カーシェアの強みが手頃さである以上、引き上げは現実的ではありません。
選択率に関して、「学生」「独身社会人」「ファミリー層」「高齢層」の4セグメントで考えました。高齢層は利用が少ないため除外し、ファミリー層は三井不動産系列の商業施設等のタッチポイントで獲得できていると考えます。一方、学生は安さでタイムズに流れており負けています。結果、五分五分の「独身社会人」がターゲットになります。
彼らが使っていない原因は、立地が良くても認知されていないためと仮説を立てました。そこで、社会人になる切り替わりのタイミング(内定式や入社式)でチラシを配り、QRコードからアプリを登録してもらい、認知を一気に広げる戦略を立てました。以上です。(候補者)
4. ケース問題の質疑応答・ディスカッション
- 内定式に営業をかけるというのは、新社会人の内定式などに突撃営業するイメージですか。(トム)
- そのようなイメージです。(候補者)
- チラシやティッシュを配るということですか。(トム)
- はい、QRコードを載せたチラシ配りでの認知獲得を想定しています。(候補者)
- その結果、果たして本当に利用されるでしょうか。仮に利用されるとしても、競合のタイムズが同様のことを行ってきた場合, 何で差別化しますか?(トム)
- おっしゃる通り、今の施策では資金力のある競合に対抗できず、差別化になりません。
そこで、競合が持っていない三井不動産系列の強み(カードやショッピングモールとの連携等)を活かします。内定式の場ではなく、都会の三井不動産系列の社宅や企業の社宅へ営業をかける方が、インパクトが大きく模倣されにくいと考えます。(候補者)
- 他社から移行させる「スイッチング」を狙うのか、それともカーシェア未経験者の「新規開拓」ですか。(トム)
- 未経験者の新規開拓を想定していました。タイムズは囲い込みによりスイッチングコストが高いため、他社を選択していない層を獲得する方がインパクトが大きいと考えたからです。(候補者)
- スイッチングコストが高いのはなぜですか。(トム)
- 理由は2点あります。
学生の購買決定要因は立地と価格が大きく、タイムズは価格面(社会人移行後の無料プラン等)と、立地(圧倒的なポート数)で面を押さえています。そのため、利便性で劣る三井に移るインセンティブが少ないからです。(候補者)
- それを覆すだけのKBF(主要購買決定要因)はありませんか。(トム)
- 車種の魅力です。タイムズよりも魅力的なプレミアム車種を提供することで、質にこだわる社会人が乗り換える要素になります。(候補者)
- 分かりました。ケースはここまでとし、フィードバックに移ります。(トム)
5. 全体フィードバックとQ&Aセッション
- 総論として、頭の回転が早く、計算の速度や質問への切り返しの速さは優秀です。想定外の質問が来ても、何らかひねり出そうとする姿勢は評価が高いです。これがグッドポイントです。(トム)
- 以降が改善点です。
まずフェルミ推定の妥当性検証の際、同じ人口ベースの式で割り戻して計算しても、同じことをしているだけで説明になりません。妥当性検証を求められた時は、全く別の方向で検証することが必要です。
例えば、市場規模に対して「これよりは小さそう」という別の市場規模や数値との相対比較をするか、あるいは需要・供給の反対側で考えるべきです。今回は需要側から計算したため、供給側(車の台数等)から計算して挟み撃ちで検証しなければ妥当性検証にはなりません。(トム)
- 数値設定も、例えばなぜ、車利用率が80%なのか、カーシェア利用率が30%なのか、シェア25%なのか、頻度10回なのかといった説明が必要です。
また、今回は需要側から計算したことで、カーシェア選択率や車の使用率など、ディスカッションが難しいパラメータが多く出てしまいました。
それよりは、供給側で考えていただきたかったです。カーシェア事業は稼働ビジネスなので、実務的には「拠点数や稼働率」をベースとした供給側の式の方がKPIとして実態に即しています。これがフェルミ推定のフィードバックです。(トム)
- ケース面接については、新社会人の着眼は良いですが、実行性のある打ち手であることと、三井ならではの強みを活かすことが求められます。
競合と同じことを行っては、物量で勝るタイムズに勝てません。なぜ三井が選ばれるのかを示さなければ、打ち手として成り立ちません。(トム)
- 三井不動産系列の強みを活かし、立地やレジデンスのデータを活用するストーリーの方が通りやすかったです。また、稼働率の向上策や、展開地域の拡大といった視点も盛り込めると良かったです。(トム)
- フィードバックありがとうございます。
まず、確かに、フェルミの時点で供給サイドを取るべきでした。タイムズの存在を意識するあまり選択率のパラメータに引っ張られてしまいました。供給視点に分解した際、タイムズに対抗する要素をどう構造化すべきかイメージできていませんでした。
例えば「稼働率が低いのはタイムズと競合しているから」という仮説から数式を立てていくイメージでしょうか。競合との選択率(シェア)という概念が頭にあり、供給視点の式において「競合に負けている」という仮説をどう構造化すべきか繋がっていませんでした。それは「稼働率が低い」原因の1つとして捉えるイメージで合っていますか。(候補者)
- 供給側・需要側のどちらから考えても, 分解していけば同じパラメータに行き着きます。例えば供給式ではシェアが直接見えませんが、稼働率を「商圏人口 × 1日あたりカーシェア利用回数 × 1回あたり利用時間 × 自社選択率(シェア) ÷ (商圏内のカーシェア台数 × 24時間)」のように分解すれば紐づけられます。最初に出てこないだけで、分解し直していけば行き着くことができます。(トム)
- 頻度の設定が当て勘になっていました。論拠付けとして、セグメントごとに「都会の若年層は月1回ドライブに行く」といったユースケースを設定し、加重平均を取るアプローチであれば説得力は増しますか。(候補者)
- 認識の通りです。頻度は「週末のドライブに月1回使う」など具体的なイメージがあれば納得できますが、「年に10回」とだけ言われるとなぜ10回なのか分かりません。ユースケースを設定して解像度を上げてください。(トム)
- 拠点数について、駅数をベースに「何駅に1拠点」と計算して全体の駐車場数を出し、そこに三井のシェアを掛ける推計は論理的に合っていますか。(候補者)
- 駅数や面積から割り出すのは論理的に通ります。ただ、求められるのは計算の緻密さではなく「式がビジネスに即しているか」です。実務上で扱う場合、こうした拠点数などの値は既知のデータなので、値の精度自体は大した問題ではありません。(トム)
- タイムズ利用者を三井へスイッチングさせる上で、車種の魅力を仮説に置く妥当性はどうでしょうか。(候補者)
- 一部はアグリーですが、ボリュームが小さいです。タイムズ利用者は安さを重視する層が多いため、プレミア車種に払う層は限られます。こうしたプレミア車種は稼働率も低くなるでしょうから、大規模・広範な配置には向かず、結果として全体に大きなインパクトをもたらす施策にはならないでしょう。
大きなKBFとして見過ごせないのは「近さ(立地)」です。少し遠いタイムズより、目の前にある三井のポートを選んでもらう仕掛け(引っ越し時のアプローチなど)に触れてほしかったです。(トム)
- 最大のKBFである「近さ」において、実は獲得できるはずの取りこぼし層を狙いに行く戦略ですね。(候補者)
- そうです。まず前提として、カーシェアサービスはプレイヤーも多くなく、登録の手間や参入障壁などもあることから、かなりタイムズの顧客はスティッキネス(粘着度)が高いと考えられます。しかしカーシェア未経験の新規顧客への接点確保ではまだ勝負の余地があります。三井は、系列の賃貸レジデンスデータなど別の生活接点からアプローチできる可能性があります。(トム)
- 拠点数の拡大はコストとインパクトが見合わず、非効率的だと考えました。既存拠点の最適化や、取りこぼし層の獲得を優先すべきという説明の妥当性はどうでしょうか。(候補者)
- 妥当なストーリーです。市場は飽和しており、良い立地は配置し尽くされています。
既存顧客のスイッチングは難しいため、引っ越し等のライフイベントで初めてカーシェアを使う新規ユーザー(社会人や大学生)をどう獲得するかが筋になります。あるいは、マンションの新築情報なども詳しいでしょうから、タイムズに先駆けてアプローチできる可能性もあります。(トム)
- 引っ越しによる立地の変化や、新生活契機でのアプローチは盲点でした。ありがとうございます。(候補者)
- 課題の深掘りにおいて、ターゲット(社会人や学生)の解像度は今回十分だったでしょうか。(候補者)
- 新社会人の着眼は良いですが、「内定式への突撃営業」は顧客の行動原理に紐づいておらず弱いです。「なぜ三井か」と「ユーザーのKBF(近さ)」を踏まえたストーリーである必要があります。(トム)
- フェルミ推定で構造化に時間がかかりました。改善として演習量を増やすことと、1つの問題を深く考えることのどちらが有効でしょうか。アドバイスをいただきたいです。(候補者)
- 次の面接まで時間がないため、新問題を解くより既に解いた問題のパターン認識と弱点の整理が有効です。また、実践形式で自分の癖を炙り出すのが最も効果的です。(トム)
- 復習を徹底し、次の面接に向けて準備します。ありがとうございます。(候補者)
- では本日は以上とします。(トム)
- 本日はお時間をいただき、ありがとうございました。(候補者)
6. おわりに
いかがでしたでしょうか。一部省略・サマリしている箇所もありますが、大まかな流れはこうした形式となっております。
進め方や出題にご希望がある場合は、柔軟に対応させていただきますので、遠慮なくお申し付けください。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。