中小企業経営のための情報発信ブログ149:優れた経営者とは?
今日もブログをご覧になりありがとうございます。昨日は「デキる社員」について書きました。今日は「優れた経営者」です。さて、今日は、三枝匡・伊丹敬之著「『日本の経営』を創る」(日本経済新聞社)をもとに、「優れた経営者とは?」について書いていきます。この本の著者の三枝氏は経営者・ミスミグループ代表取締役会長、伊丹氏は経済学者で一橋大学名誉教授・現国際大学学長です。
三枝氏は、「V字回復の経営」をはじめ「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」のいわゆる「三枝三部作」の著者です。この「三枝三部作」は、小説形式で、内容の深さ・豊かさはもちろん、読み物としても面白く、役に立つ名著です。
これに対して、この「『日本の経営』を創る」は、三枝氏と伊丹氏と対談で、三枝氏自身が主語で、三枝三部作の背後に流れている三枝氏の経営哲学や思考がはっきりと直接話法で入ってきます。この本で繰り広げられる対談から「優れた経営者とはどのような者か」が、伝わってきます。
1.優れた経営者とは
以前紹介した楠木建・山口周著「『仕事ができる』とはどういうことか?」(宝島社新書)で語られているように、経営はスキルではなくセンスなのです。営業や経理、マーケティングといった特定の領域の仕事をする担当者であれば、その分野のスキルがあればなんとかやっていけます。またスキルについては、それを伝授する本やノウハウ本は無数にあり、育てることもできます。しかし、「経営」というのは、特定の分野に絞られるものではなく、すべての分野を横断的にかつ大局から見渡さなければなりません。これは中小企業・零細企業、もっと言えば個人商店でも同じです。
0