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「生命倫理と死生学の現在⑩」 ~人は何のために生まれ、どこに向かっていくのか~

(4)「終末期医療」から発達した「死生学」の奥深さ ①「死」が「生」を規定すると見る「死生観」 「脳死」(brain death)~頭部外傷や脳卒中などで脳幹・大脳・小脳など脳全体の機能が失われ、二度と回復しない状態を指します。脳死は植物状態と混同されることがありますが、全く異なります。呼吸をつかさどる脳幹の機能消失は直ちに心臓の停止(心臓死、cardiac death)をもたらしますすが、人工呼吸器の出現で、脳以外の血液循環を保つことが可能になりました。すなわち、「脳死」は人工呼吸器の開発によってもたらされた新しい死の概念なのです。脳死移植では、この脳死状態で臓器を摘出して移植しますが、心臓停止後の摘出より臓器としての活性度が高く、脳死の状態から心臓死に至るまで、普通は数日から1週間程度とされます。日本では、脳死になるのは全死者の約1%になると見られており、1年に8,000人ほどいるとされます。日本では脳死かどうかの判定には、旧厚生省研究班が1985年に作成した脳死判定基準(竹内基準)が使われており、①深い昏睡、②自発呼吸停止、③瞳孔の開き(散大)、④脳幹反射の消失、⑤平坦脳波、の6項目を必要な知識と経験を持つ、移植に無関係な2人以上の医師が行います。また、生後12週未満の小児については、法的脳死判定の対象から除外されています。  一方、植物状態(vegetative state)とは大脳の機能の一部または全部が損なわれ、意識がないなどの状態ですが、脳幹は生きています。このため、自発呼吸ができ、人工呼吸器はほとんど使いません。治療次第では意識が戻ったり、回復したりすることもあ
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