「百聞は一見にしかず」が間違っている理由─動画編集構成の基本
「百聞は一見にしかず」ということわざは、動画制作においては間違っています。その理由がわからないとしたら、作り手としてかなり問題があります。「百聞は一見にしかず」とは「百回聞くより一回見るほうがよくわかる」という意味です。ですから、いかにも動画にぴったりのことわざに聞こえます。しかし、よく考える必要があるのは、「わかる」という言葉のほんとうの意味です。この場合の「わかる」とは、いったいどういう状態を指しているのでしょうか?この「わかる」の意味がわかっていないと、動画の編集構成は、絶対に上達しません。なぜなら、それは動画というメディアの根本に関わるからです。この記事では、「百聞は一見にしかず」がなぜ動画制作には当てはまらないかというお話を足がかりにして、動画編集構成の基本について簡潔に説明します。見るだけではわからない『「百聞は一見に如かず」ということわざがあるように、動画で説明すれば、文章や画像よりわかりやすいですよ』こういう表現で「動画マーケティング」をすすめるサイトを見たことがありますが、私に言わせれば、これは完全なミスリードです。例えば「お餅」について、「日本のことを全く知らない、文化が全く違う国の人」に説明するとします。そういう場合、ただ見せるだけでは「それは何か」は絶対に伝わりません。それがお餅と呼ばれるもので、餅米をついてこねて作った食べ物で、日本人は昔からおめでたい時に食べるんだということは、言葉でしか伝えることができません。味や食感もそうです。もちろん食べてもらうのが一番早いのですが、それができない場合は、言葉で伝えるしかありません。「それは何か」というのは、「意
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