770.餅を喉に詰まらせた、応急処置
正月は餅を食べる機会が増えますが、毎年、餅を喉に詰まらせて救急搬送される人が増える傾向にあります。餅を食べる際はよくかんで食べたり、餅を小さく切ったりするなど、注意が必要です。
ところで、家族が餅を喉に詰まらせた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。また、ネット上では「掃除機で餅を吸い出すのが効果的」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。フリーランスの看護師として活動し、食べ物による窒息事故への対応経験を持つ、看護師マッキーさん(以下、マッキーさん)に聞きました。
無意識に喉をつかむ行為を示す
Q.そもそも、人が餅を喉に詰まらせた場合、どのような反応を示すのでしょうか。
マッキーさん「人が、気道に異物が詰まって窒息を起こし、呼吸がうまくできなくなったとき、声を出せず、無意識に両手で喉をつかもうとする動作をします。こうした動作は、『チョークサイン』と呼ばれており、世界共通とされています。
ついさっきまで会話をしていた人が、餅を食べている際に急に無言になったときや急にうなだれたとき、顔色が真っ青になったときは窒息の可能性が疑われるため、要注意です」
Q.家族が餅を喉に詰まらせてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。応急処置の方法や119番通報の目安について、教えてください。
マッキーさん「まずは、餅を喉に詰まらせてしまった人に呼び掛け、『声が出せるのか』を確認してください。せきをすることができれば、ひたすらせきをさせて、餅を吐き出させるようにしてください。せきを促す方法としては、本人に『ゴホゴホとせきをして』と目の前で伝え続けることが必要です
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