運命の分岐点だった日のこと
前回の続きです師匠が所属しているグループが入っているビルに着きました。受付の女性に師匠から貰った名刺を見せながら、自分の名前を名乗り、相談をしたい旨を伝えました。「お約束はございますか?」「え、いえ。していませんけど・・・」本当に、本当に今考えると恥ずかしいくらい非常識なんですが、アポもなく、突撃してしまったんです。受付の女性は「ちょっと只今確認致しますね」受付の女性は優しく微笑んでくれていましたが、私の脳内には「迷惑」「非常識」「あー、もう余計な仕事増やさないで」というテキストメッセージが流れ出し「ああ、私被害妄想まで出てきた」と思ってしまいました。今思うと、本音なんですよね。彼女の。当時受付してくれたあの人。本当にごめんなさい。「真珠さん!?」師匠が、来客用玄関から入ってきて、私を呼びました。このビル、一階の殆どがガラス張りになっていて、外から騒ぐ私が師匠から丸見えだったようです。次の仕事まで少し時間があるから、と師匠は私の話を聞いてくれる事になりました。「師匠さん。いたんです。師匠さんが言ってた通り、伯父が」「あ、ああ。よくある事なんです。とりたて自分の家が異常だとか、そういったことではないので、気にしなくて大丈夫ですよ」師匠が妙に早口で喋ります。本当に今なら分かるのですが、そういった事は稀に(いや、結構)ありますし、相続を取り扱う際、税理士事務所や弁護士事務所などでは、必ず「そんな存在がいないか」は確認します。でも確認の仕方は「戸籍謄本と原戸籍を取り寄せて下さい」って言うだけ。それか委任状をもらって先生で取り寄せる。戸籍謄本と原戸籍を見ることで「そういった存在」が記載さ
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