中小企業経営のための情報発信ブログ478:本の紹介 座右の著「貞観政要」
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。今日は、出口治明著「座右の著『貞観政要』」(角川新書)を紹介します。副題に「中国古典に学ぶ『世界最高のリーダー論』」とありますが、「貞観政要」は唐の第2代皇帝、太宗・李世民の言行録です。「貞観」というのは当時の元号のことで(西暦627~649年)、今から1400年近く前です。貞観の時代は、中国史上、最も国内が治まった時代と言われています。「政要」というのは、政治の要諦のことで、太宗と臣下との政治上の議論や問答がまとめられたものです。その後、クビライや乾隆帝などの中国の皇帝が帝王学を学ぶために愛読し、日本でも北条政子や徳川家康、明治天皇が学んだとされています。太宗は、約24年間帝位についていました。出口氏は、名君と呼ばれる人の絶対要件は次の2つであると言っています。Ⅰ:「権限の感覚」を持っていること・・・臣下に一旦権限を与えたら、その権限は臣下のものです。部下に権限を与えて任せたなら、皇帝であっても部下の決定に従わなければなりません。皇帝が自分勝手に権力を行使すれば、人民や臣下を疲弊させ、やがては裸の王様になってしまいます。高い地位に就いた人が裸の王様になれば、君主の一言一句に組織が振り回されるようになり、やがて時代の変化から取り残されてしまいます。Ⅱ:臣下の「諫言」を得ること・・・諫言とは上司の過失を遠慮なく指摘して忠告することです。臣下の忌憚のない諫言を聞き入れ、彼らの批判に耐えることで自らを鍛え上げるのです。皇帝であっても、決して全能ではないことをわきまえた姿勢、欠点や過失を指摘されることを望み、喜んで聞き入れる姿勢です。出口
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