なぜ予備試験合格者の司法試験合格率は高いのか? 学習のヒントのために
1・予備試験の短答式試験を突破している「予備試験の天王山は、論文式試験だから、論文対策こそ肝心だ」とよく言われます。ただ、一説によると、予備試験の短答式試験の成績と論文式試験の成績は、結構相関関係があるようです。私自身もそう思います。理由の一つは、私の経験です。確かに短答式試験で問われる知識が固まってきた辺りから、論文式試験の成績も安定してきました。また、短答式試験で安定した成績をとるには、知識だけでなく法的思考の安定性も求められます(ブレブレの思考では、ミスが出るように作られているからです)。そういう意味では短答式試験に対する対応力の向上が論文式試験の成績にも影響していたと思います。もう一つの理由は、予備試験短答式試験の科目数です。予備試験の短答式試験では、・憲法・行政法・民法・商法・会社法・手形法・小切手法・民訴法・刑法・刑訴法幅広く出されます。これらを全てクリアすれば当然論文式試験で問われる知識を予習することもできるわけですから、論文式試験の成績が上がる可能性が高まります。また、網羅的に知識を得ると法律の「体系的な理解」が得られてきます。これは、熟練の法律学習者の共通認識だと思いますが、「体系的な理解」がないとわからない法律知識は、結構あります。教科書を読んでわかった気になっても、「体系的な理解」を得て改めて学ぶと全然わかっていなかったことに気付くのは法律学習あるあるです。予備試験の短答式試験合格者は、この部分でアドバンテージを得ている可能性が高いと思います。「体系的な理解」があれば、短期間でも実力をグッと伸ばす可能性も高まります。1学んで1を得ていたのが、1を学んで5得
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