615.妊娠・出産経験「ある」女性は高リスク!
妊娠・出産経験「ある」女性は高リスク! “3つの病気”を産婦人科医が解説
さまざまな種類がある婦人科系の病気。この中には、妊娠・出産の経験の有無によってリスクに変化がみられる病気があるようです。妊娠・出産の経験が「ある」女性の方が高リスクと考えられる病気には、どのようなものがあるのでしょうか。産婦人科専門医の本多釈人さんが解説します。
「子宮が膣内から出てしまう」病気も
妊娠・出産経験が「ない」女性より、「ある」女性の方が高リスクな病気はいくつか存在します。それぞれの病気と症状は、次の通りです。
【子宮頸がん】
子宮頸がんは、子宮頸部にできるがんです。症状としては、「月経中でないのに出血が起こる」「性行為の際に出血がある」といった不正出血があります。関連するのは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスで、性交渉によって感染することが知られています。
子宮頚がんのリスクを高める要因は、「出産回数が多い」「性体験の回数が多い」ことです。性交渉を通じたウイルス感染が要因になっていることもあるので、性体験のある人は、年齢にかかわらず、子宮頸がんにかかる可能性があると考えて注意する必要があります。
【腹圧性尿失禁】
おなかに力が入ったとき、不意に尿漏れが起きてしまうのが「腹圧性尿失禁」です。せきやくしゃみをしたとき、思わず笑ってしまったとき、運動をしたときなど、日常の何気ない動作でも起こります。
主な原因として挙げられるのは、骨盤底筋や靱帯(じんたい)、尿道の周りの筋肉が出産によって衰えてしまっていることです。筋肉の衰えは加齢によっても起こるため、高齢になるほど
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