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オリジナル小説『高校の教科書』

私は、高校二年生の時の英語の教科書は未だに捨てられない。 私と、私の彼「ミズキくん」とが出会ったのは私が大学に入学した頃の話。右も左も分からない、まさにそんな初々しい大学一年生だった私は新しい生活に胸を躍らせていた。高校時代は部活を頑張りながら、そこそこ青春も楽しんでいた。しかし、そんな青春の中でも自分の恋愛遍歴に関しては苦い思い出がほとんど。自分の気の強い性格が災いしたのか、それとも一緒にいる時間が多くなってから気づいたものがあったのか。どちらにせよ、私に原因があって離れていった人がほとんどだった。その時には、「自分から好意を寄せておいて、勝手に失望するな!」とよく周りの友達に嘆いていたものだった。 小さい頃に読んだ本で、「運命の人」という存在を知ってから、私は柄にもなく運命の人がいると信じていた。信じながら、探していた。 「あぁ、私の運命の人はどんな人なのだろうか。」と。 だが、自分の願いがそんな簡単に叶うわけがなく。童話の中のお姫様や少女漫画の主人公のようにキラキラ輝いて、たまに苦しくなるような、そんな青春は私にはやって来なかった。 願って願って、十何年が経った時。 「ミズキくん」に出会った。 彼は、見た目は見目麗しい、とはお世辞にも言えない。どちらかというと、ちょっと厳つい男の人。そして、私の第一印象は「森のクマさん…」だった。私よりも遥かに大きい彼は、私を見下ろすように見ていたのを今でも覚えている。そんな彼は、私より歳が2つ上の先輩。そして、何となく気分で見に行った弓道部の先輩でもあった。ミズキくんは、後輩の私にたくさん優しくしてくれた。授業の取り方、大学の仕組
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