富太郎の『ちょこプレ』
富太郎が、気の向くままに、「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題 『 因果関係あり 』
織田裕二さんのドラマで思い出されるのが、「踊る大捜査」。そのスピンオフ映画で、柳葉敏郎さん主演の「容疑者 室井慎次」という作品がありました。室井警視正が指揮を執る殺人事件の捜査段階で、被疑者として事情聴取を受けていた交番の巡査が、捜査員たちを振り切って逃走し、車にはねられて即死。 死亡した巡査の母親の告訴により、「特別公務員暴行陵虐罪」の共謀共同正犯として、室井さんが逮捕されてしまうという流れ。実は、この事件の元ネタではないかと思われる裁判(最決平成15.7.16)があって、それが司法書士試験の 刑法 の問題として出題されています。 令和4年 刑法 24-イ問 Aは、5人の仲間と共謀して、Bに対し、マンションの居室で、約3時間にわたって、激しい暴行を加え続けた。Bは、隙を見て、同室から逃走し、追跡してきたAから逃れるために高速自動車国道に侵入したが、進行してきた普通貨物自動車に衝突され外傷性ショックにより死亡した。BはAから暴行を受けたことにより、Aらに対して極度に恐怖心を抱いて逃走を図る過程で、Aらからの暴行や追跡から逃れるために、とっさに高速自動車国道に侵入したものであり、その行動は著しく不自然、不相当ではなかったと認められた。この場合、Aの暴行とBの死亡との間には因果関係が認められる。答 〇 (判例の趣旨そのままの出題。「傷害致死罪」成立)この裁判が平成15年、映画の製作が2005年(平成17年)なので、この事件がモチーフになっていると思
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