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『小説・ロザリンド・フランクリン物語』 〜08〜

『小説・ロザリンド・フランクリン物語』 〜08〜『小説・ロザリンド・フランクリン物語』           9        DNA51これまで辿ってきた幾つか事実の経緯からみると、ロンドン大学の研究室グループではDNAの実像形態としては 螺旋体 をしているのではないかとの噂のような、予測のような、予言のようなものがストクスやウィルキンスの間で立ってはいましたが、それはまだ内部保留、内部機密の段階に留まっていました。ただ、二重螺旋体 とまでは至ってはいなかったようです。また、ロザリンドの発見したAタイプとBタイプの結晶、そして、そのAタイプ、Bタイプの生成方法もまた内部保留、内部機密の段階に留まっているのでした。それが1952年に決定的証拠となるロザリンドのBタイプ画像撮影成功があり、それを見たウィルキンス、「こりゃ、確実に螺旋体ですがな」と唸り声を上げ、ウィルキンスを中心に論文発表への意思が強まりました。しかし、当の撮影成功者ロザリンドは論文発表に積極的ではありません。「どや、ひとつ此処らで論文発表してみぃひんか?」最新51番画像写真を広げた机に両手をついたウィルキンスは見上げる視線をロザリンドに投げながら、そう促してみるのでした。「まだよぉ〜。まだ、まだ。 A型とB型の生成メカニズムも完全解明されてないし・・」と腕組みをしながらロザリンドはあくまでも控えめな口調です。メカニズムが明らかにならないとロザリンドは気が済まない性分なのでしょうか。「何言ってはるんや、もう論文発表の段階、来てるやないのぉ〜」とウィルキンスは内面苛立ちを隠せません。研究の途中段階でも、新局面に入ったら
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