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「茨城県各地に伝承する民話 第1回」(5作品を紹介)

「鰐ヶ淵の孝行息子」(「打ち出の小槌」の話、茨城県大子町での言い伝え) むかしむかし、袋田村(現在の茨城県大子町)の鰐ヶ淵の近くに年老いた父親と一緒に暮らす若者がいました。若者は父親を元気にさせようと、いつも鰐ヶ淵で大きな鯉を釣って父親に食べさせていました。 あるとき、いつものように大きな鯉を探していると、水の中から白いひげを生やした老人が現れて言いました。 「親孝行なお前にお金をやりたいが、一銭も持ちあわせない。この小槌をあげよう。困ったことがあったら振ってみなさい」といって、姿を消しました。 若者は不思議に思いながらお礼を言って家に戻りました。でも、どんなに苦しくても、若者は小槌を振ることなく、一生懸命にこらえました。 やがて、父親は若者に見取られて亡くなりましたが、若者はお葬式をするお金がなく、近所の人を呼ぶことができません。 「そうだ。父のために小槌を振ってみよう」と、決心しました。そして、小槌を振ると、葬式に必要な膳椀から御馳走、お金まで出て来て、葬式をすることが出来ました。村の人たちは水神様を祀りました。 その後、村の人たちがお祝いや葬式などで、膳椀が必要になると鰐ヶ淵の水神様から借り受け、用が済むと必ず返しました。そして、このことは永く続きました。 この若者は、やがて長者になり、久米村薬谷(現在の茨城県常陸太田市)に行って裕福な生活をしました。                「鎌倉に使いした犬」(茨城県常陸太田市での伝承) 鎌倉に幕府があった頃のお話です。上桧沢村(旧美和村。現在の茨城県常陸大宮市)から、鎌倉に急ぎの要件ができ、村から使いを出すことになりました。村
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