大学数学の勉強のはじめかた(数学科に入りたい人へ)
1. はじめに大学数学はそれまでの高校数学とは雰囲気が大きく変わり、得意だった人でも急に苦手になってしまうことがあります。もしあなたが高校生で数学科に進みたいと思っているなら少し二の足を踏ませてしまう事実かもしれませんね。私自身も数学科に入ったとき、その違いに戸惑い数学が苦手になっていっていました。しかし、学び続けるにつれ大学数学の正しい学び方がだんだんとわかりまた数学が好きになれました。本ブログはあなたが数学を好きでいられるように、そして未来の優秀な数学者になれるように大学数学の学び方をお伝えします。2. 高校での数学まずは高校までの数学と大学数学の違いを見てみましょう。高校までの数学は基本的に以下のような問題が多いと思います。出典:京都大学二次試験(理系)令和5年度問題特徴は大きく分けて次の二つです。①答えを求める問題であること。②扱う対象が整数、実数、複素数であること。3. 大学での数学一方大学での数学は以下のような問題です。出典:京都大学大学院(修士課程)専門科目令和6年度問題中身については理解する必要はありませんが、問題文はじめの有限群というのは良い性質をもった集合(いくつかの物の集まり)です。ここで重要なのはこの集合は数の集合ではないということです。この例からは大学数学の次のような特徴が見られます。①証明問題であること。②扱う対象が一般の集合であること。特に②扱う対象が一般の集合であること。が高校までの数学とは一線を画す難しさの原因です。(集合は大学数学のほとんどすべての分野で登場します)何者かもわからない対象を扱うのでだんだん理解できなくなっていくのです。4. 解
0