動画編集の納品事故を防ぐチェックリスト|着手前・送信前・受領後の3か所で止める

動画編集の納品事故を防ぐチェックリスト|着手前・送信前・受領後の3か所で止める

記事
コラム
「完成_修正_本当の最終.mp4」

動画編集をしている人のあいだで、ときどき話題になるファイル名です。笑い話のようでいて、この名前が増えてくると「どれを送ればいいのか」が本当に分からなくなります。

納品まわりの事故は、編集の腕前とは別のところで起きます。素材がそろわないまま作業が進む。途中の「これも追加で」が、いつの間にか無料の修正扱いになる。古い版を送ってしまう。

原因の多くは、どこで何を確認するかが決まっていないことです。この記事では、確認する場所を「着手前・送信前・受領後」の3か所に絞り、そのままコピーして使えるチェックリストにまとめました。急いでいる方は、各「チェックリスト(コピー用)」だけ持ち帰ってください。

なぜ3か所なのか


確認はやればやるほど安心ですが、毎回すべてを見ようとすると続きません。そこで、事故が起きる「直前」にだけ関門を置きます。

・素材不足は、作業を始める瞬間に止める
・旧版や違うファイルの送付は、送信ボタンの前で止める
・「送ったつもり」「OKをもらったつもり」は、送ったあとに止める

追加依頼だけは作業中いつでも起きるので、関門とは別に「記録のしかた」を決めておきます。

関門1 着手前:そろうまで始めない


編集を始める前に見るのは「仕様」と「素材」の2つです。

仕様は、チャットの流れに埋もれさせず、1か所に文字で残します。素材は1つずつ、次の3つに分けます。

・未受領:まだ届いていない
・要確認:届いたが、正しいもの・使ってよいものか分からない
・使用可:確認が済んで使える

「要確認」が1つでも残っていたら、作業より先に確認の連絡を入れます。編集の途中で「足りない」と気づいてから動くより、手間が小さく済みます。

着手前チェックリスト(コピー用)

【着手前】
□ 完成尺・画面比率・書き出し形式が文字で決まっている
□ 修正回数と、範囲外になったときの扱いが決まっている
□ 納期と初稿の提出日が決まっている
□ 素材を「未受領/要確認/使用可」に分けた
□ 未受領・要確認が0件になった
□ 参考動画・NG事項を受け取った(なければ「なし」と確認した)

作業中:「これも追加で」は文字で残す


途中で増える依頼は、どちらに悪気がなくても範囲があいまいになりがちです。追加の依頼が来たら、手を動かす前に次の4つを記録します。

1. 内容(何を・どこを)
2. 最初の範囲内か、範囲外か
3. 範囲外なら、費用と納期への影響
4. 合意した日と、相手の返事

記録はメモでも表でもかまいません。

【追加依頼メモ】
日付:10/15
内容:冒頭に告知テロップを追加
区分:範囲外
影響:+〇〇円/納期+1日
合意:10/15「その内容でお願いします」

確認の連絡は、たとえば次のように送れます。

ご依頼の〇〇は、当初の範囲外になります。追加〇〇円・納期〇日延長で対応できますが、進めてよろしいでしょうか。

範囲内として受ける場合も、ひとこと残しておくと次回の基準になります。

〇〇は今回の修正に含めて対応します。次回以降の追加は、別途ご相談させてください。

関門2 送信前:送るのは「承認された版」か


いちばん防ぎたいのが、古い版や違うファイルを送ってしまう事故です。対策は、ファイル名のルールを決めて、送る直前に照合することです。

ファイル名のルール

案件名_内容_v03_20261015.mp4

・版は v01、v02…と数字で増やす
・日付を入れる
・「最終」「完成」「fix」は使わない(すぐに「最終2」が生まれるため)

送る直前に、承認された版の番号と添付するファイルの版番号が同じかを1回だけ見ます。照合する場所を1つに決めておくと、取り違えに気づくきっかけになります。

送信前チェックリスト(コピー用)

【送信前】
□ 書き出したファイルを最初から最後まで再生した
□ 版番号が、承認された版と一致している
□ ファイル名がルール(または指定)どおり
□ 尺・解像度・形式が仕様どおり
□ 追加依頼メモの内容がすべて反映されている
□ 送信先(相手・チャット・フォルダ)が正しい
□ 共有リンクの期限が、相手が受け取るまで足りる

関門3 受領後:「送った」で終わりにしない


送ったあとも、相手が受け取ってOKを出すまでは完了ではありません。リンクの期限が切れて開けない、確認が止まったまま日がたつ、といったことを防ぐための関門です。

受領後チェックリスト(コピー用)

【受領後】
□ 相手がファイルを開けたことを確認した
□ OK(または修正依頼)をもらった日を記録した
□ 修正依頼が回数内・範囲内かを確認した
□ リンクの期限が切れる前に受領を確認できた
□ 最終的に納品した版番号とファイル名を記録した

まとめ


・着手前:仕様と素材がそろうまで始めない
・作業中:追加依頼は4項目で記録する
・送信前:承認された版とファイル名を照合する
・受領後:OKをもらうまでを1件とする

チェックリストは、メモアプリやスプレッドシートに貼ればそのまま使えます。おすすめは、案件ごとに1ページ(1ファイル)を作り、仕様・素材・追加依頼メモ・3つのチェックを同じ場所に置くことです。「あの話はどこに書いたっけ」と探す時間が減り、あとから見返すときにも迷いません。

全部を一度に取り入れる必要はありません。次の案件で、まずは送信前のチェックだけでも試してみてください。


確認を表示で知らせるExcelもあります


ここまでの確認を1案件1ファイルで記録し、条件がそろうまで「着手保留」「送信保留」と表示するExcelテンプレートを作りました。ファイル名の照合や追加依頼の記録欄も入っています。マクロなし、1,000円です。記入例は架空のもので、事故がなくなることを保証するものではありません。

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