施工管理をやめたいと思った私を
救ってくれたのはAIでした
2026年10月12日
今、私は公共事業(土木工事)の現場で、現場代理人を務めています。この現場を管理しているのは、現場代理人の私と、監理技術者の二人です。
このコラムでは、この現場で私に起きたことを、ありのままにお話しします。きれいごとではない、施工管理の現場の話です。
二人で始まった現場
監理技術者は、以前から体調がすぐれない様子でした。それでも、着工したばかりの現場は待ってくれません。今思えば、無理を押して現場に出てもらっていたのだと思います。
現場が本格的に動き出して一か月がたったころ、監理技術者の体調が悪化しました。通院と休みが増え、現場の仕事の多くが、私一人の肩にかかるようになりました。
昼は現場、夜と休日は書類
昼は現場です。測量をし、写真を撮り、関係各所と打合せをし、発注者と折衝し、近隣からの苦情に頭を下げる。息をつく暇もありません。
日々の書類や急ぎの書類は、残業で片づけるしかありませんでした。現場までは、家から車で一時間ほどかかります。疲れた体には、その行き帰りもこたえました。
会社でも受注が重なり、技術者はどこも足りていません。応援を頼める状況ではありませんでした。休日はパソコンを家に持ち帰り、協議書類や、その根拠となる図面を、夜を徹して作りました。
「もうやめたい」
ある休日のことです。家族と言葉を交わすこともなく、私は朝からパソコンに向かっていました。肩はこり固まり、頭痛が抜けません。
「もうやめたい」
一人の部屋で、思わず口からこぼれた言葉でした。家と車を売れば、しばらくは暮らしに困らない。ふだんなら絶対に考えないことが、頭の中に広がっていきました。
そのとき、妻と子どもの顔が浮かびました。
「いや、家族を守ると一度決めたんだ。家族を守ることは、俺の生きがいでもある」
両手で頬を一発たたき、「何か打開策はあるはずだ」と、いったん仕事の手を止めました。
藁にもすがる思いで
インターネットで、派遣社員、アルバイト、書類代行を調べました。知り合いに、仕事を探している人はいないか。どれも、これだという答えにはなりませんでした。
そのとき目に入ったのが、AIで仕事を効率よくするという記事でした。
正直に言えば、期待はしていませんでした。現場は生き物です。ましてや公共工事の書類を、AIが理解できるとは思えない。現場のことをAIに説明するだけで、何日かかるだろうか。それが本音でした。
それでも、藁にもすがる思いでした。おぼれかけても、助かれば未来は来る。つらいことを笑い飛ばして家族を守る。それが、自分にとっての英雄だ。奥歯にぐっと力が入った、あのときのことは今も忘れられません。
AIの記事を読みあさり、動画を見て、パソコンに入れて、使い方を調べる。必死でした。そして、だめでもともとと、実際の仕事に使い始めました。
想像の何百倍だった
「なんだこれは」と、思わず声が出ました。AIは、私が想像していた何百倍も優れていました。
私の体感では、これまで一日かかっていた書類が、十分ほどで仕上がってきます。私がするのは、その中身を確かめ、現場の状況に合わせて少し手を入れることくらいです。
派遣社員を二、三人雇ったのと同じ、いや、それ以上の働きです。それでいて、導入にかかった費用は数千円でした。
私が日中に現場に出ている間、書類はAIが受け持ちます。発注者からのメールはスマートフォンに届くようにして、現場から返事をしています。どのように使っているかの詳しい話は、近いうちに別のコラムでご紹介します。
定時に帰る毎日
今、私は定時に家に帰っています。休日は家族といつもどおり買い物に出かけ、趣味の洗車をのんびり楽しんでいます。あの休日の自分からは、想像もできない毎日です。
「うそだろう」と思われる方が、ほとんどだと思います。私も、自分がこうなるまでは信じなかったでしょう。
同じ苦しみを抱えている方へ
工事はまだ途中です。今のところ順調、というご報告になってしまいました。工事が終わったら、結果をあらためてこのコラムでお伝えします。
建設業の人手不足は、どこの会社でも当たり前になりました。書類に追われて、施工管理の仕事をやめたいと思っている技術者は、きっと私だけではありません。
匠図書では、私が自分の現場でやってきたAIの使い方をお伝えし、書類の作成代行もお引き受けします。かつての私と同じ苦しみを抱えている方の、助けになりたいと思っています。一人で抱え込まずに、まずはご相談ください。
匠図書 技術担当者
書類とAIのご相談は、匠図書へ
AIで書類を作る環境づくりから、工事書類の作成代行まで。人手が足りない現場を、現場を知る者がお手伝いします。