#1「コンセプト」と「コンセプト設計」の定義と違い

#1「コンセプト」と「コンセプト設計」の定義と違い

記事
ビジネス・マーケティング
「コンセプト」「コンセプト設計」
と聞くと、どのような意味を想像しますか?

正直、なかなかつかみどころのない言葉なので、、
人によって、コンセプトとは?の答えも違ってくるかと思います。

ということで、本日の記事は、
僕が考える「コンセプト」と「コンセプト設計」の定義と違いについて、
お話ししようと思います。

まず、結論からお伝えすると、僕の定義は以下となります。
コンセプト→「ブランドから顧客へ届ける体験価値と、約束・宣言を表すもの」
コンセプト設計→「顧客へ価値を届けるための設計原理」
SNSの投稿テーマや表現を考えるとき、
この二つの関係が、運用判断の支えになります。

どんな企画が自社らしいのか。
なぜ、その情報を発信するのか。
ブランドイメージを崩さず、どのような施策を走らせるか。
文章のトーン、表現はどのようにすべきか。

この判断軸(コンセプト)を曖昧にSNS運用をスタートすると、
後々迷走することになります。

コンセプトを構成する二つの中核要素

さらに具体的にいうと、
僕がコンセプトの成立条件としているのは、次の二つです。
(1)体験価値:顧客へ、どんな価値や体験の変化を届けるのか
(2)約束/宣言:価値を届けるために、ブランドとして何を約束し、どんな姿勢を貫くのか
体験価値には、商品やサービスの機能・利便性に加えて、顧客が使う喜びや、気持ち・行動の変化も含まれます。

約束・宣言は、その価値を実現しようとするブランドの意思です。顧客に期待してもらいたいことと、それに応える姿勢を示します。

この二つは、別々の種類に分類するためのものではありません。
同じ価値を「顧客が受け取るもの」と「提供する側の意思」として、
二つの側面から捉えることが大切だと考えます。
どちらか一方だけではコンセプトとしては弱く、成立しません。

さらに「コンセプト」として、端的で美的な言葉へ凝縮することも、
表現の品質として重要な事かと考えます。

【実例】ブランドの言葉に込められた体験価値と約束

実際にブランドコンセプト・企業理念を見てみましょう。
先ほど挙げた、二つの要素をよりイメージしやすくなると思います。

ここでは、公式の言葉と背景の説明を基に、
僕の定義に照らして読み解いてみます。

◯ 猿田彦珈琲「たった一杯で幸せになるコーヒー屋」
一杯のコーヒーを通じて幸せを感じてもらうという体験価値と、その一杯に妥協せず向き合うという意思が重なっています。

「たった一杯」という身近なイメージしやすい言葉に、顧客へ届けたい価値と、それを届けるブランドの姿勢が込められていると捉えています。

◯ 土屋鞄「時を超えて愛される価値」
長く使い、時を重ねるほど愛着が深まるという体験価値が前面に出ています。その背景に、長く大切にできるものづくりの精神、使い続ける時間を支えるという意思を汲み取れます。

公式の説明でも、デザインや丈夫さに加え、修理などのアフターサポートまで示されています。言葉に込めた価値と約束が、製品やサービスにつながっている例です。

◯ スープストックトーキョー「世の中の体温をあげる」(※企業理念)
こちらは、公式には企業理念として掲げられている言葉です。
食を通じて心が温まるという体験価値と、人に寄り添い、日常に温かさを届けようとする意思を読み取ります。

スープの温かさと、人の心に生まれる温かさが、「体温」という一つの言葉で重なっていると感じます。

短い言葉の中で、どこまで説明するかはブランドごとに違います。
それでも、意識して背景まで読み込むと、
「届ける体験価値」、「その価値を届ける意思」がつながって見えてきます。

“それらしい言葉”で止まっていないか

逆に言葉は整っていても、届ける体験価値や約束が曖昧な例を見てみましょう。
以下は、架空のアパレルブランドが、次のコンセプトを掲げたとします。
あなたらしい毎日を、もっと豊かに。
例文を読んでも
「あなたらしさ」とは、、
「豊かさ」が何を指すのか分からない、、
となりませんか。

このメッセージ性だと、顧客が受け取れる価値は曖昧なままです。

着心地のよさなのか。自分に合う服を選べることなのか。少ない服でも着回しを楽しめることなのか。それによって、商品づくりも、接客も、発信する内容も変わります。

説明を求めても、抽象的な言葉が増えるだけで、届ける体験価値と約束が明確にならない。そうであれば、僕はコンセプトが定まったとは考えません。

AIに候補を出してもらう場合も、同じことが言えます。

出てきた言葉が整っているという理由だけで採用し、その言葉に込める価値や約束を検討しない。
その進め方では、提案書に「コンセプト」と書かれていても、実務で何を目指すのかが分からない状態が残ります。

AIを使ったかどうかで、評価が決まるわけではありませんが、言葉と背景説明を合わせて、届ける価値と約束が明確になっているかを何度も確かめる必要があります。

【本日のまとめ】言葉と実践をつなげるために

今回の記事では、「コンセプト」と「コンセプト設計」を、
次のように整理しました。
【コンセプト】
顧客へ届ける体験価値と、それを届ける約束・宣言を表すもの

【コンセプト設計】
顧客へ価値を届ける設計原理。価値と約束を、実際の活動や選択につなげるもの
運用を依頼するときも、社内で企画を検討するときも、「この投稿は、コンセプトのどの価値や約束につながっているのか」と問いかけてみてください。

その理由をきちんと言語化し、共有できれば、
見た目や好みについての意見に加えて、届ける価値を基準に話し合えます。

理由を説明できない場合は、価値や約束が曖昧なのか、実践につなぐ設計が不足しているのかを確認する手がかりになります。

僕は、届ける価値と約束の言語化から、SNSの方針や企画を判断できる形に整えるところまでを支援しています。

「言葉はあるけれど、発信の軸が定まらない」という方は、
現在のコンセプトと運用のつながりから、一緒に整理していきますので、
お気軽にご相談ください!

📔最後までお読みくださり、ありがとうございました📔



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