「ブランディングをしたいので、ロゴを新しくしたい」
そんなご相談をいただくことがあります。
もちろん、ロゴはブランドをつくるうえでとても大切な存在です。
でも、
ロゴを作っただけで、ブランドが完成するわけではありません。
お客様が会社に感じる印象は、ロゴだけで決まるものではないからです。
Webサイト、名刺、店舗、商品、電話対応、SNS、スタッフの言葉遣い、問い合わせへの返信
こうした一つひとつの体験が積み重なって、
「この会社は信頼できそう」
「なんとなく、この会社らしい」
「またお願いしたい」
という印象が生まれていきます。
今回は、少し難しく聞こえる「ブランディング」を、できるだけ身近な言葉で考えてみます。
🍀 ブランドは「相手の中にできる印象」です
ブランドという言葉を聞くと、高級ブランドや有名企業を思い浮かべるかもしれません。
でも、ブランドは大企業だけのものではありません。
たとえば、
「あのパン屋さんは、いつ行っても丁寧」
「あの工務店は、相談すると分かりやすく説明してくれる」
「あの会社は、仕事がきれいで安心できる」
これも立派なブランドです。
つまりブランドとは、
自分たちが名乗るものではなく、相手の中に積み重なっていく印象
だと考えると分かりやすいです。
🍎 ロゴは、その印象を思い出すための「目印」
前回の記事では、ロゴを「企業の顔」と表現しました。
ロゴはとても重要です。ただし、そのロゴを見たときに、
「信頼できる会社だ」
「丁寧な仕事をしてくれる」
「自分たちのことを理解してくれる」
という印象まで思い出してもらえるかどうかは、ロゴ以外の体験によって決まります。つまりロゴは、
ブランドそのものではなく、ブランドを思い出すための目印
でもあります。
⭐ 具体例 (1) ロゴは高級。でも、Webサイトはバラバラ
たとえば、落ち着いた高級感のあるロゴを作ったとします。
ところがWebサイトを見ると、
原色がたくさん使われている。
フォントもページごとに違う。
写真の雰囲気もバラバラ。
これでは、
ロゴが伝えようとしている印象と、
Webサイトが伝えている印象が一致しません。
人に置き換えると、
高級なスーツを着ているのに、サンダルを履いているような状態です。
それぞれ単体では悪くなくても、
全体として一貫していない
と、違和感が生まれます。
🌴 具体例 (2) 「親しみやすい会社」と言いながら、文章が難しい
会社としては、
「地域の方に親しまれる会社になりたい」
と考えている。
でも、Webサイトには、専門用語ばかりが並び、文章も非常に堅い。
これもブランドのズレです。親しみやすさを伝えたいのであれば、
写真、色、文章、問い合わせ方法
すべてに、その考え方が反映されている必要があります。
ブランドは、
言っていることと、見せていることを揃える
ことでもあります。
💻 具体例 (3) Webサイトは丁寧。でも、問い合わせ対応が雑
これはデザインとは関係ないように思えるかもしれません。
でも、
Webサイトでは、
「お客様に寄り添います」
「丁寧な対応を大切にしています」
と書かれているのに、
問い合わせへの返信が遅い。
説明が分かりにくい。
担当者の対応が冷たい。
そうなると、ユーザーはWebサイトよりも、実際の体験を信じます。
ブランドは、
広告よりも、日々の行動によって作られる
ものなのです。
😄 「この会社らしい」を言葉にしてみる
ブランディングの第一歩としておすすめなのが、
自社らしさを言葉にすることです。
たとえば、
「誠実」
「親しみやすい」
「先進的」
「職人気質」
「地域密着」
「丁寧」
「シンプル」
「挑戦的」
この中から、自社に合うものを3つ程度選んでみます。
そして、
Webサイトはその印象になっているか?
ロゴはどうか?
写真はどうか?
文章はどうか?
一つずつ確認します。
これだけでも、ブランドの方向性が見えやすくなります。
🌵 色やフォントにも「らしさ」があります
企業の印象を統一するには、ロゴ以外にも基準が必要です。
たとえば、
・メインカラー
・サブカラー
・使用するフォント
・写真の雰囲気
・アイコンの形
・文章のトーン
こうしたルールを決めておくと、
Webサイト、名刺、パンフレット、SNS
を作るたびに、ゼロからデザインを考えなくて済みます。
そして何より、どこで見ても、
「この会社らしい」
という印象が生まれます。
🏡 小さな会社こそ、ブランドの統一が効きます
「ブランディングは大企業がするもの」
と思われることがあります。
でも、私たちはむしろ、
小さな会社や地域企業ほど、ブランドを整理する意味が大きいと考えています。
広告予算が大きくなくても、
・看板
・名刺
・Webサイト
・SNS
・店舗
すべての印象が揃っていれば、少ない接点でも覚えてもらいやすくなります。
逆に、
媒体ごとに印象が違うと、せっかく見てもらっても記憶に残りにくくなります。
🍒 ブランドは「選ばれる理由」をつくる
商品やサービスの機能だけでは、違いを作りにくい時代です。
同じような商品。
同じような価格。
同じようなサービス。
その中で、
「この会社から買いたい」
「この人たちにお願いしたい」
と思ってもらえる理由。
それがブランドです。
ブランドは、
価格以外の理由で選んでもらうための、
大切な資産でもあります。
🍊 CIとVIって何でしょう?
ブランディングを調べると、
CI
VI
という言葉を目にすることがあります。
簡単に言えば、
CI(Corporate Identity)は、
「自分たちは何者なのか」を整理すること。
VI(Visual Identity)は、
それを視覚的にどう表現するかを決めること。
です。
・企業理念
・価値観
・目指す未来
これらを整理し、
ロゴ、色、フォント、写真、Webサイト
へ落とし込んでいきます。見た目から始めるのではなく、
考え方から見た目を作る。
これが大切です。
🐣 ブランドは「そろえる」だけではありません
注意したいのは、全部を同じ色にする。
全部にロゴを大きく入れる。
ということがブランディングではない、ということです。
本当に大切なのは、
同じ考え方が流れていること。
Webサイトは落ち着いている。
SNSは少し親しみやすい。
採用サイトは人の温度を感じる。
表現が少し違っても、
根っこにある考え方が同じなら、ひとつのブランドとして成立します。
✅ 今日からできる3つのチェック
自社のブランドについて考えるときは、
まずこの3つを確認してみてください。
1. 「自社らしさ」を3つの言葉で説明できますか?
2. Web・名刺・SNS・店舗で、印象は揃っていますか?
3. お客様が実際に受ける体験と、発信している内容は一致していますか?
もしバラバラに感じる部分があれば、
そこに改善のヒントがあります。
🌈 ブランドは、毎日の積み重ねで育つ
ブランドは、
ロゴを作った日に完成するものではありません。
Webサイトを公開した日でもありません。
お客様とのやり取り。
商品を届けた瞬間。
電話を受けたとき。
SNSを更新したとき。
そうした小さな接点を重ねながら、
少しずつ育っていきます。
だからサンナナでは、ロゴやWebサイトを単体で考えるのではなく、
その会社がこれから、どんな印象を積み重ねていきたいのか
まで考えることを大切にしています。
次回は、
「情報が多いほど親切」は間違いかもしれません。
をテーマに、
Webサイトを分かりやすくする「情報設計」と「導線設計」についてお話しします。
「会社のイメージがバラバラになっている」
「ロゴだけでなく、Webや印刷物まで整理したい」
「そもそも自社らしさが何なのか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
見た目を揃える前に、
まず考え方を揃えるところから始めます。